研究領域 | 新光合成:光エネルギー変換システムの再最適化 |
研究課題/領域番号 |
17H05727
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
松下 智直 九州大学, 農学研究院, 准教授 (20464399)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2018年度)
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配分額 *注記 |
8,320千円 (直接経費: 6,400千円、間接経費: 1,920千円)
2018年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2017年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
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キーワード | フィトクロム / 光合成 / 環境応答 / 植物 / 遺伝子発現制御 / 光受容体 / 光シグナル伝達 |
研究実績の概要 |
植物の主要な光受容体フィトクロムは、専ら標的遺伝子の転写量を制御することでシグナルを伝達すると考えられていたが、我々は最近、フィトクロムが転写量制御に加え、ゲノムワイドに2,000を超える遺伝子の転写開始点を変化させることにより、mRNAの5’末端の長さを制御し、その結果、数百という数のタンパク質の細胞内局在が光依存的に変化することを発見した(Ushijima et al., Cell 2017)。ここで興味深いことに、上記制御を受けるタンパク質の大部分は、光合成機能の様々な側面に関与すると考えられる葉緑体タンパク質であり、光依存的に葉緑体と細胞質の間で局在を変化させることが明らかとなった。 そこで、フィトクロムシグナルによる葉緑体タンパク質の細胞内局在変化を介した光合成制御機構とその生理学的意義の解明を目的として、当該制御によりタンパク質の局在変化を特に顕著に示す標的遺伝子について、ノックアウト変異体の表現型解析を行った。その結果、フィトクロムによる転写開始点制御を受けて生じる細胞質局在型アイソフォームが、葉緑体局在型アイソフォームとは全く異なる生理機能を担っていることが明らかとなった。さらにこの結果を検証するために、当該標的遺伝子のゲノムDNA断片の3’末端にGFP遺伝子を融合し、そこへさらに、短い転写産物もしくは長い転写産物における翻訳開始点に変異を導入したものを、それぞれ変異体に導入することで、葉緑体もしくは細胞質のみにタンパク質の局在を限定した形質転換植物を作製した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該標的遺伝子のノックアウト変異体のホモ接合体が致死性を示すことが明らかとなり、まずはヘテロ接合体分離集団をさまざま条件で生育させ、その中から4分の1分離してくるホモ接合体が生育可能な条件を探したが、そのような条件を見つけることはできなかった。そこで、葉緑体もしくは細胞質のみにタンパク質の局在を限定した形質転換植物を作製するためのコンストラクトを、変異体のヘテロ接合体に導入し、その結果得られるT1植物の中から、変異をヘテロ接合で持つ個体をgenotypingにより単離し、その自家受粉による次世代集団において表現型を解析することで、この問題点を克服することに成功した。
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今後の研究の推進方策 |
今後、作製した葉緑体もしくは細胞質のみにタンパク質の局在を限定した形質転換植物を用いてその表現型を詳細に解析することで、当該標的遺伝子において、葉緑体局在型もしくは細胞質局在型アイソフォームの生理機能を明らかにする。そしてそれらの形質転換植物を用いてさらに詳細な解析を進めることで、当該的遺伝子に関して、自然環境において、どのような光条件で細胞質局在型のアイソフォームが発現し、またそのことが、光合成機能の光環境への適応にいかにして寄与するのかを明らかにする。
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