配分額 *注記 |
10,920千円 (直接経費: 8,400千円、間接経費: 2,520千円)
2018年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2017年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
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研究実績の概要 |
本年度は以下の3つの研究をおこなった。 (1)下丘の入力シナプスの発達に伴う変化:ラット下丘神経細胞からパッチクランプを行い、下位神経核からの上行性線維と、対側下丘からの入力を比較した。聴覚開始前では、上行性線維からの入力は連発刺激で短期シナプス抑圧をするのに対し、開始後では抑圧が減少し、高頻度刺激に対して応答が追随するようになった。一方で、対側下丘からの入力は連発刺激に対して短期シナプス促通するのに対し、開始後では促通が減少し、高頻度に対してより安定な応答を示した。また、シナプス後部の受容体脱感作の影響が発達に伴って減少し、シナプス前性のメカニズムによって伝達が媒介される可能性が示唆された(Kitagawa and Sakaba in revision)。 (2)小脳プルキンエ細胞出力シナプスのシナプス形成に関するBral2の役割:小脳プルキンエ細胞出力シナプスに関して、細胞外マトリックスを構成するBral2が欠失すると、シナプス形成が棄損ないし遅れることが示唆され、結果としてシナプス伝達効率が下がることがノックアウトマウスを用いた研究から示唆された(Edamatsu et al., 2018, J Neurochem)。シナプス形成が恒常的に異常なのか、発達の遅れであるかは今後の詳細な解析が必要であろう。 (3)また、これらの研究とは別に精神神経疾患のモデルマウスの供与を受け、シナプス前終末の機能がどのように損なわれるかを調べる研究に着手した。海馬シナプスをモデルとして、現在、機能異常を詳細に調べている。
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