公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
発生期の神経細胞から伸びる軸索突起の先端構造(成長円錐)は、細胞外の軸索ガイダンス因子を感受して自らをスクラップ&ビルドすることで正しい経路選択を行う。研究代表者はこれまでに、「エクソサイトーシスとエンドサイトーシスによる軸索ガイダンス制御」という新概念を世界で初めて提唱・証明してきた。本課題では、研究代表者のこれまでの研究を飛躍的に発展させ、成長円錐のスクラップ&ビルドを統合的・協調的に制御するための細胞内膜交通システムの全貌を解明することを目的として研究を行ってきた。平成30年度は、高速性と超解像を両立した新しい顕微鏡法を完成させ、予備実験段階ではあるが、光学顕微鏡の分解能を超える直径100 nm以下の輸送小胞と思われる物体がゴルジ槽を高速で出入りする様子を捉えることに成功した。また、RUSHシステム(Boncompain et al, Nat Methods. 2012)を神経細胞に適用した実験を行った。神経細胞に特異的な積荷分子(神経栄養因子受容体・神経接着分子など)を付加したRUSHコンストラクトを新たに作製し、これらが成長円錐内の膜交通システムを経由して運ばれ、最終的にエクソサイトーシスにより細胞膜に挿入される様子を可視化することに成功した。さらに、光で積荷輸送を制御する新しい光遺伝学プローブの開発を進めた。また、ゴルジ体各層の内腔pHを計測するためのプローブや、ゴルジ体pHを光で任意に操作するプローブの開発にも着手した。このように、膜交通システムを時空間的に可視化・操作するための様々なツールの開発により、成長円錐の運動性を司る局所膜交通の全貌が明らかになりつつある。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Organelle Zone On Line News Letter
巻: 2 ページ: 21-21
Methods Mol Biol.
巻: 1493 ページ: 287-298
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