公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
(1) BNB転写因子複合体の同定と機能解析:bHLHは一般に二量体形成して機能する。bHLH転写因子LRL/DROPもシロイヌナズナ花粉の精細胞形成に必要である(Zhang et al. Nat. Plants 2017)。LRLホモログはシロイヌナズナに5遺伝子、ゼニゴケに1遺伝子(MpLRL)あり、根系発生にも関わる(Breuninger et al. Curr. Biol. 2016)。本研究ではMpBNBとMpLRLの相互作用を示し、シロイヌナズナ転写因子ライブラリー(Mitsuda et al. PCP 2010)のスクリーニングによりBNB2とLRLの相互作用を示した(産総研・光田展隆博士との共同研究)。ゼニゴケのMpLRLノックアウト株は仮根形成に加え、MpBNB活性化による生殖器托形成を喪失した。したがって、LRLは多面的な機能をもち、BNBと結合して進化的に保存されたbHLH複合体を形成して生殖細胞分化に関わると考えられる。(2) MpFGMYB/SUFによるゼニゴケ性分化の制御:MpBNBの標的候補の1つとして、メス特異的に発現する転写因子MpFGMYBを見出した。同遺伝子座の逆鎖ではSUFと名付けたノンコーディングRNAがオスで高発現していた。奈良先端大・中島敬二グループとの共同研究により、MpFGMYB/SUFは「双方向性の転写スイッチ」としてゼニゴケの性分化をコントロールしており、X染色体下ではMpFGMYBが発現してメス化を、Y染色体下ではSUFがMpFGMYBの転写をin cisで抑制することでオス化を引き起こすことを示した(Hisanaga et al., EMBO J. 2019)。(3) MpBNBの標的遺伝子の機能解析:MpBNBの標的候補のひとつメチル基転移酵素遺伝子がゼニゴケ葉状体の発生制御に関わることを見出した。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2019 2018 2017 その他
すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 3件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (28件) (うち国際学会 5件) 図書 (2件) 備考 (3件)
EMBO J.
巻: 38 号: 6
10.15252/embj.2018100240
120006547401
Plant Cell Physiol.
巻: 12 ページ: 2421-2431
10.1093/pcp/pcy161
Current Biology
巻: 28 号: 3 ページ: 479-486
10.1016/j.cub.2017.12.053
Cell
巻: 171 号: 2 ページ: 287-304
10.1016/j.cell.2017.09.030
120006353839
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2017/180126_1.html
http://www.nibb.ac.jp/analyins/jp/?p=4723
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/release/18/01/29/04986/