研究領域 | 多様な「個性」を創発する脳システムの統合的理解 |
研究課題/領域番号 |
17H05936
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
複合領域
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
鈴木 匡子 東北大学, 医学系研究科, 教授 (20271934)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2018年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2017年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 脳損傷 / 高次脳機能障害 / 皮質電気刺激 / 言語 / 高次脳機能マッピング / 皮質マッピング / 個体差 / 失語症 / 認知症 |
研究実績の概要 |
高次脳機能に関する各人の個性を明らかにし、その神経基盤を知るために、局所脳損傷患者、てんかん患者、変性性認知症患者において、高次脳機能障害の多様性とその神経基盤について研究を進めた。 まず、局所脳損傷患者において言語、記憶について評価し、どの過程に障害があるかを神経心理学的手法で詳細に検討した。その結果、読みの過程、聴覚性理解の過程に特異な障害がある症例、時間軸の障害が目立つ健忘症例が見いだされ、その背景に言語や記憶の神経ネットワークの個体差があることが推測された。 次に、難治性てんかん患者においては、焦点切除術前に皮質電気刺激による高次脳機能マッピング、選択性Wada testによる高次脳機能関連部位の同定を行い、個々人の機能野の違いを明らかにした。さらに、術後に言語、記憶、相貌認知などの機能がどう変化したかを検討した。各言語機能や記憶等に関連する脳部位には個体差があることが分かり、それがてんかん患者における高次脳機能障害の差異の基盤となっていると考えられた。 変性性認知症としては、アルツハイマー型認知症患者における道具の使用障害およびレビー小体型認知症とその類縁疾患であるパーキンソン病における視空間認知障害について質的に検討した。アルツハイマー型認知症の道具使用では、観念運動性失行と見なせる誤り以外にも、注意障害、視空間認知障害、書字障害などによる誤りを認め、各個人によって背景となる機能障害は様々であることが分かった。一つの系列行為においてもどの過程での障害かは個々人により差があり、その背景には各個人の神経ネットワークの差異やその障害のされ方の違いが影響していると考えられた。 以上、脳損傷患者の高次脳機能障害について個人ごとに詳細に検討し、脳機能低下部位と関連付けることにより、個々人の高次脳機能の神経基盤の多様性について知見を得ることができた。
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現在までの達成度 (段落) |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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