公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
本研究では、ナビゲーション行動中の線虫の全神経活動の観察やナビゲーション行動の数理モデル化を通じて、神経系の情報処理の仕組みを理解することを目指した。2018年度も、前年度に引き続き、行動中の線虫の全神経活動の観察に用いる顕微鏡の開発を進めた。自由行動中の線虫を自動追尾するトラッキングステージを試作顕微鏡と組み合わせることで、自由行動中の線虫の全脳イメージングの3D画像を得ることに成功した。一方、線虫の行動に伴って光シートの照射方向と線虫の角度が変わると励起光のムラが生じることが判明した。光シートの照射角度を変更できる回転光学系の導入によって、この問題が解決できないか検討を進めている。また線虫の神経活動を神経回路レベルで解析するために、線虫の神経細胞を自動的に同定する技術の開発を進めた。定量された神経活動を神経回路に対応付けるためには、画像中の個々の細胞を既知の神経と対応付ける細胞同定のステップが必要となる。線虫では特定の細胞で発現を誘導するプロモーターが多数知られている。代表者らは30種類を超えるプロモーターを蛍光タンパクにつないで実際に線虫に導入し、発現細胞とその相対的な位置を確認したデータベースを構築してきた。これをもとに、細胞の位置のばらつきは隣の細胞の平均位置まで及ぶほど大きいことなどを明らかにした。またこのデータベースと機械学習の手法を組み合わせて、60%程度の精度で線虫の神経細胞を自動的に同定できるプログラムを開発し、GUIに組み込んだ。これらの技術開発により、線虫の神経活動を神経回路レベルで解析する基盤が確立された。これらの結果は現在論文投稿準備中である。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2019 2018 2017 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (38件) (うち国際学会 14件、 招待講演 7件) 備考 (1件)
生体の科学
巻: 68 号: 5 ページ: 474-475
10.11477/mf.2425200701
IEEE/ACM Transactions on Computational Biology and Bioinformatics
巻: - 号: 6 ページ: 1-1
10.1109/tcbb.2017.2782255
Proceedings of the National Academy of Sciences
巻: 114 号: 23
10.1073/pnas.1614596114
http://molecular-ethology.bs.s.u-tokyo.ac.jp/labHP/J/JResearch/