公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
“顔を真っ赤にして怒る”という慣用句に表現されるように,顔色と表情認知は密接に関係していると考えられる.怒りと恐怖といった2つの表情をモーフィングしたあいまいな表情画像の顔色を操作することにより,表情判別確率が変化するかを調べた先行研究では,顔が赤くなるほど怒り表情に知覚されやすくなるという表情知覚における顔色効果を示した (Nakajima et al., 2017).しかしながら,この研究は,日本人の20代を中心とした実験協力者を対象としたもので,このような顔色の効果が普遍的であるか,それとも特異的なのかを調べることが求められている.本研究では,表情知覚における顔色の影響に関する調査を日本・マレーシア・ノルウェーの成人と小児を対象に実施し,文化間・世代間での比較を横断的に行い,その普遍性・特異性を調査した.実験には,怒り表情と恐怖表情を5段階にモーフィングした表情画像に対して,自然色と赤色の2種類の顔色に変化させたものを実験刺激として用いた.実験参加者は,顔刺激呈示後,表情が怒りまたは恐怖であったかをタッチして選択した.実験は恒常法を用いて行われ,各条件の心理測定関数から主観的等価値を比較した.実験は,日本・マレーシア・ノルウェーの成人 (大学生) と小児 (8歳) を対象に実施された.各被験者群における,赤色表情と自然色表情の怒り知覚の閾値を比較した結果,日本とマレーシアでは,成人群は赤色表情が自然色表情に比べて怒りの閾値が有意に低いことが示された一方で,小児群にはそのような差はみられなかった.また,ノルウェーでは成人・小児問わず赤色表情と自然色表情の怒りの閾値に差があるとはいえなかった.
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (4件) 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 2件、 査読あり 9件、 オープンアクセス 6件) 学会発表 (17件) (うち国際学会 13件、 招待講演 2件)
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