研究領域 | トランスカルチャー状況下における顔身体学の構築―多文化をつなぐ顔と身体表現 |
研究課題/領域番号 |
18H04206
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 中京大学 |
研究代表者 |
長滝 祥司 中京大学, 国際教養学部, 教授 (40288436)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2018年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 他者理解 / 身体動作 / 表情 / 怒り表出傾向 / 内観報告 / 身体性 / Muリズム / A-O傾向 / EEG / 志向性 / 道徳性帰属 |
研究実績の概要 |
人間が他者の行動や心的状態を理解する際に、多くの場合無意識に、表情や身体動作を読み取ったり、それらをもとに他者に一定の心的性質や道徳的性質を帰属させたりしている。本研究では、現象学や心の哲学を理論的背景として、心理学や脳科学の実証的方法によって得られたデータを用いながら、人間が無意識に行なっているそうした作業に基づく他者理解のメカニズムを解明することをめざした。本年度、文献研究としては現象学の他者論、間主観性の理論や、素朴心理学の理論化ともいえる近代の表情学、観測学などを参照した。さらに、われわれ人間のこうした能力の物理的基盤を明らかにするため、ミラーニューロンにも注目した実証実験を行った。ミラーニューロンを調べた過去の研究によれば、他人の単純な動作を見ているときの脳活動を測定すると、alpha帯域とbeta帯域でERDが生じる。本研究ではより複雑な情報を含んだ表情や身体動作を観察する課題を被験者が行ったが、alpha帯域におけるERDを確認することができた。それによれば、被験者は映像中の作業者の心的傾向性を推測しているときに、その表情や身体動作を自身の運動野にマッピングしていた、と考えられる。これは、被験者が映像内の作業者の表情や身体動作の模倣をしていたためだと解釈できる。また、alpha帯域におけるERDは社会的状況の文脈を処理したり他人の意図を評価したりすることに関与することが分かっている。本実験でもこれを裏づける結果が得られており、被験者は表情や身体動作を模倣するだけでなく、他人の表情や身体動作からその意図や感情などを読んでいたと考えられる。特筆すべきは、被験者自身が事後的な内観報告をして、そこで指摘していた映像場面を視聴しているときに、上記のような脳内の活性が認められたということである。つまり、脳科学的なデータが一人称報告の信頼性をある程度裏づけたことになる。
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現在までの達成度 (段落) |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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