研究領域 | J-Physics:多極子伝導系の物理 |
研究課題/領域番号 |
18H04311
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
塩見 雄毅 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (10633969)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
8,450千円 (直接経費: 6,500千円、間接経費: 1,950千円)
2019年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2018年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
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キーワード | 磁気圧電効果 / 奇パリティ多極子 / 磁性金属 / 対称性の破れ / 反強磁性体 / 電気磁気効果 / スピン流 / スピントロニクス / 熱流 |
研究実績の概要 |
スピントロニクスの観点から磁性体における奇パリティ多極子効果の開拓を目指す本研究では、新しい奇パリティ多極子効果である磁気圧電効果の発見に成功したことを契機に、この現象の理解を目指して集中的な研究を行ってきた。 磁気圧電効果は、空間反転対称性と時間反転対称性が両方破れた磁性金属において、AC電流を印加するとAC歪みが生じる現象である。AC歪みはAC電流と同じ周波数に現れ、低温クライオスタット内に設置した試料に対してレーザードップラー振動計を用いた動的歪み計測を適用することで、低温での実験を行った。今年度は、昨年度磁気圧電効果の観測に成功したEuMnBi2試料において、液体ヘリウム温度までの低温領域まで測定温度を拡張した。結果として、低温に向かって磁気圧電効果の信号は大きくなり、低温における圧電効果としての効率は、従来の圧電材料に匹敵することがわかった(論文投稿中)。Euの磁気モーメントの影響により、信号が大きくなっていると考えられる。さらに、別の物質として、本新学術領域の研究者ネットワークを生かして、CaMn2Bi2試料の提供を受け、磁気圧電効果の実験を行った。結果として、CaMn2Bi2においても明瞭な磁気圧電効果の信号を観測し、その大きさがEuMnBi2と同程度であることを明らかにした(Y. Shiomi et al. Phys. Rev. B 100 054424 (2019))。CaMn2Bi2の磁気転移点は約150Kと詳細な研究がしやすい温度であることを利用し、特に興味深い点として、磁気転移点付近で磁気圧電効果信号の大きさが増大することを見出した。これは磁気体積効果などの遍歴磁性体特有の効果が関係していると考えている。以上により、磁気圧電効果の系統的測定により、いくつかの新しい重要な性質を明らかにした。
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現在までの達成度 (段落) |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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