配分額 *注記 |
8,580千円 (直接経費: 6,600千円、間接経費: 1,980千円)
2019年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2018年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
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研究実績の概要 |
当該年度では,本研究課題の重要な課題であった EuPtSiの磁気スキルミオン相の特性に関する重要な学術論文が,J-Physics メンバーの協力の下,当該グループのホール抵抗,磁気抵抗を始め比熱,熱膨張,低温磁化,メスバウアー分光,共鳴X線散乱実験などによって次々と報告された。日本物理学会刊行の学術論文誌 Journal of the Physical Society of Japan の2019年8月の Top 20 Most Downloaded Article に上記論文が4本もランクインし,大きな注目を集めた。国際会議 J-Physics 2019では,招待講演を含めて14本の研究報告を行った。それに続く強相関電子系国際会議(SCES2019)においても,7本の研究成果を報告した。 また当該年度では,2例しか報告のなかった希土類化合物の磁気スキルミオンの新たな発見物質の探索を行った。この磁気スキルミオン相の発現には,結晶反転対称性の破れによりジャロシンスキー守谷相互作用が大きな役割を担っているとされているが,その他に磁気フラストレーション効果によっても発現する可能性が指摘されている。そこで,六方晶系の磁気フラストレーションが期待できる AlB2 型と空間反転対称性の破れたFe2P型の結晶構造を有するRGa2(R: Pr, Tb, Er)およびRAlGa(R: Dy, Ho)と,RAgGe(R: Dy, Ho, Tm)の8つ化合物を育成し,ホール効果を測定手段として,磁気スキルミオン相の可能性を検討した。ErGa2,DyAlGa,HoAlGa,DyAgGe,HoAgGe,TmAgGeの化合物においては,磁化に比例した異常ホール効果では説明できない特異なホール抵抗を観測し,これらの物質で磁気スキルミオン相が発現している可能性があることを明らかにした。
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