公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
中分子化合物を医薬品や研究ツールとして活用する試みが近年盛んに行われている。既存の生物活性中分子開発戦略の多くは、スクリーニングで発見した天然物や人工中分子を親化合物とし、より良い活性を示すものに『改良』していくものが中心であった。一方で本研究では、広い作用面を介して標的と相互作用できる中分子大規模ライブラリーの試験管内分子進化法の活用により、任意の生物活性を有する中分子化合物をテーラーメイドに『創製』する新技術の確立を目標とする。具体的には、改変翻訳系を用いた遺伝暗号のリプログラミング技術を活用することで、非タンパク質性アミノ酸ブロックを含む環状ペプチドを翻訳合成を達成する。これにより、既存のαペプチドとはその構造特性が大きく異なる生物活性ペプチド中分子を創製することを最終目標として掲げる。昨年度までに、大環状化と特定の立体構造形成の両方を誘起できる人工残基を設計し、さらに遺伝暗号のリプログラミング法によりこれら人工残基を含んだ人工環状ペプチドを翻訳合成できることも実証した。本年度は、シクロプロパンユニットを含む人工アミノ酸を開始残基として用いて、中分子環状ペプチドライブラリーの構築に成功した。モデルペプチド配列をもちいた実験により、このシクロプロパン含有アミノ酸を用いることで、得られるライブラリー中に含まれるlariat-tail型の環状ペプチドの生成が抑制され、大環状型の構造をもったペプチドライブラリーを効率良く生産できることを示した。実際に、試験管内分子選択実験により、標的として設定した酵素をnMオーダーで阻害する大環状型の新規中分子ペプチド薬剤の開発に成功した。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (15件) (うち国際共著 6件、 査読あり 11件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (22件) (うち国際学会 4件、 招待講演 19件) 産業財産権 (2件)
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