公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
長鎖ポリアミン化合物 LCPA (Long Chain Polyamine) は核酸、タンパク質、糖質などと同様、生体内に存在する高分子である。近年、これら LCPA が持つ生命現象を司る機能について明らかにすべく盛んに研究が行われているが、他の生体内高分子とは異なり汎用性の高い合成方法論が乏しいのが現状である。既存の方法として、ポリペプチドを合成後にアミド結合を還元して第二級アミンを合成する方法が知られているが、多様なポリアミンの簡便な合成には不向きである。本研究では、長鎖ポリアミンの物性や生物活性などの解明を目的として、中分子ポリアミン化合物である protoaculeine B の全合成を計画した。本合成では14量体のポリアミン構築に際して申請者らの開発したニトロベンゼンスルホンアミドを保護活性化基として用いるNs-strategyを用い、長鎖ポリアミンを効率的に合成するためにNsアミド体とハロアルカンを調製しこれらを連結する収束的合成法を採用した。またポリアミンは高極性なため精製が困難な化合物である。そのため申請者らの以前のポリアミン合成において実績のある Tr 型レジンを用いた固相合成法を用いた。多くのNsアミドを有する直鎖ポリアミンは有機溶媒に難溶となるが、4量体までは比較的可溶であることを見出しており、本年度は4量体を共通合成素子として活用し、固相上にてアルキル化反応を行うことでアミン鎖を伸長する際の最適条件を確立した。またprotoaculeine B のインドール部分の導入と、Ns基の脱保護の検討を行なった。このインドール部位はアミンをNs基で活性化している状態では非常に脱離しやすく全合成の達成には至らなかったが、新たな合成戦略を練る上で重要となる化合物の物性に関する知見を得ることができた。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (14件) (うち査読あり 14件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (92件) (うち国際学会 7件、 招待講演 9件)
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