公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
コレステリック・ブルー相は、欠陥が三次元周期構造を持つユニークな液晶相である。すでに、ブルー相の線形弾性率が欠陥ネットワークの周期により決まることが明らかにされている。他方、シミュレーションからは、せん断を加えることにより欠陥ネットワークの破断・再結合が生じ、欠陥の規則的な周期構造が無秩序なネットワーク構造へと転移することが示唆されている。この結果に触発され、せん断変形印加後に線形粘弾性挙動を測定すると、せん断により弾性率が増大することを見出した。せん断による弾性率の増大現象は、欠陥ネットワークの組み替えと関係があると考え、欠陥ネットワーク構造に着目しつつレオロジー計測を実施することとした。異なる周期構造を持つブルー相のレオロジー特性を明らかにしつつ、欠陥構造変化との因果関係を探ることにより、欠陥が関与するレオロジー体系の構築を目指す。ブルー相IIIは、周期性を持たない無秩序な欠陥ネットワーク構造を持つ。ブルー相IとIIに加え、ブルー相IIIのレオロジー特性を詳細に調べた。その結果、ブルー相IIIはある特定の温度領域においてのみ、シアシックニング現象を示すことを見出した。シアシックニング現象のメカニズムを解明するために、大振幅振動実験を行い波形解析を実施した。第3高調波がシアシックニングを生み出す原因であることがわかった。欠陥構造を評価するために、ゲスト分子として量子ドットを液晶中に導入し、間接的な欠陥構造の可視化を試みた。球状の量子ドットは液晶分子の配向場を局所的に乱すため、等方相では均一に分散されるが、液晶相では欠陥内に凝集される。この性質を利用し欠陥を間接的に可視化する。可視化手法には、全反射照明蛍光顕微鏡を、観察手法にはRemote Recontrol法を採用し光学系を構築した。今後、これらの証明系と観察系を用い、詳細な構造観察を進めていく。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2019 2018 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 4件、 招待講演 3件) 備考 (1件)
Journal of Biorheology
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130007674884
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210000134813
http://www.eng.hokudai.ac.jp/labo/MOLPHY/home/sr.html