研究領域 | 次世代物質探索のための離散幾何学 |
研究課題/領域番号 |
18H04471
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
松下 ステファン悠 東北大学, 理学研究科, 助教 (90773622)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
2019年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2018年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 熱電材料 / トポロジカル絶縁体 / 異常ホール効果 / 薄膜 / 熱電変換 / 熱電物性 / エネルギー変換 / スピン |
研究実績の概要 |
本研究は、Bi2-xSbxTe3-ySey(BSTS)結晶の薄膜に対し、その熱電物性の測定から、TI表面における電子の特異なスピン状態とその熱電物性との相関を実験的に解明することを目的としている。本年度は、前年度に引き続きBSTS薄膜の熱電物性の膜厚依存性を測定すると共に、薄膜と強磁性絶縁体CGTとのヘテロ構造(BSTS/CGT)を作製し、磁気近接効果による表面ギャップの実現に取り組んだ。 膜厚依存性では、当初計画の膜厚5 nm以下での測定は実施できなかったが、10 nm前後の膜厚で多数の試料の熱電測定を行い、試料毎のキャリア密度(n)とゼーベック係数(S)との間に、ディラック電子の線形バンドにより、S∝√nの特異な相関関係を見出した。これは通常の放物線バンドと異なる。また、以前の4nm試料の結果とも合わせたところ、表面ギャップによってこの相関が変化することも明らかにした。 強磁性体とのヘテロ構造は、当初予定の単分子磁性体膜の蒸着が技術的に困難であったために、計画を変更し、BSTSをCGTへ転写する手法を試みた。結果、BSTS/CGTにおいて、表面ギャップにより生じる異常ホール効果の観測に成功した。また、BSTSの膜厚によって磁気近接効果の強さが変調し、ギャップが膜厚20nmを境に消失することも明らかにした。熱電測定に関しては現在測定を進行中である。 研究当初予定に対し、磁性体薄膜についてはまだ課題が残っているものの、転写法によるBSTS/CGTヘテロ構造で異常ホール効果の観測に成功した意義は非常に大きい。これにより、熱電測定に適した大面積試料が得られた。更に、現在主に行われている蒸着法と違い、転写法では任意の基板を選択できるため、今後はCGT以上の絶縁性・強磁性を持つ物質を基板に用いて研究を遂行できる。これらは基礎・応用の両面で、今後のTI研究を促進するものと期待される。
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現在までの達成度 (段落) |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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