公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
シロイヌナズナを用いて高温・低温などの温度ストレス適応におけるプロセッシングボディ(PB)やストレス顆粒(SG)などのRNA顆粒によるmRNAの分解や一時保存制御機構の解析を行い、以下の研究実績が得られた。PBの構成因子であるXRN4の欠損変異体は高温・低温ストレス耐性を示す。その原因遺伝子を特定するために、遺伝子発現解析・分解速度解析を用いて、温度ストレス応答時におけるXRN4のターゲットを検索した。その結果、XRN4は高温ストレス時にはHeat shock factor A2 (HSFA2)、低温ストレス時にはMyeloblastosis transcription factor (MYB TF)をターゲットとしていることが明らかとなり、分解制御を通してmRNAの発現量を調節し、温度ストレスに適応していることが示唆された。一方、SGの因子であるUBP1bは過剰発現させることで高温耐性を示す。遺伝子発現解析・分解速度解析から、原因遺伝子の候補を複数見出した。これらの遺伝子がUBP1bの直接のターゲットであるかRNA免疫沈降(RIP)により確認した。RIP法は、国際共同研究によりJulia Bailey-Serres教授(カリフォルニア大、Riverside校)らから習得し、新しく確立した。その結果、UBP1bに直接結合するターゲットは、DNAJ heat shock protein(DNAJ HSP)、Stress-associated protein (SAP)であることが明らかとなり、これらのmRNAの一時保存制御を介して翻訳のタイミングを調節し、高温ストレスに適応していることが示唆された。以上より、植物の温度ストレス応答・適応には、RNA顆粒によるmRNAの転写後調節・翻訳制御が重要であることが示された。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2020 2019 2018 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (12件) (うち国際共著 2件、 査読あり 11件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 6件、 招待講演 10件) 備考 (1件)
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