公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
本研究では、時系列全体を通じた大域的な最適化手法を活用して、線虫頭部神経のカルシウムイメージングの4D動画に含まれる細胞核を高精度に追跡し、神経活動を正確に定量する手法を開発することを目指した。2019年度は、昨年に引き続き、立体動画像中の細胞核を追跡するTree法の開発と改良を進めた。Tree法では、画像の類似性をもとに画像を並べ替えて木構造を形成し、非剛体レジストレーションによって隣接したノード(画像)間の局所変位を計算する。一部の画像で細胞核を検出したのち手動で修正しておき、得られた変位量にしたがって核の座標を移動することで、細胞核の追跡を行う。非剛体レジストレーションの際に正則化項を追加したりパラメータを調整するなどして追跡精度の向上を図った。本研究で対象とした線虫の画像は細胞核の見落としなど検出エラーが数%程度発生するため、各画像で細胞を検出し画像間で紐付ける古典的な追跡手法では追跡エラーが激しい。しかし中には正しく検出・紐付けできるわかりやすい細胞核もあることがわかった。これらの細胞核を選択して、非剛体レジストレーションの際のランドマークとしたところ、追跡精度が向上した。また目視で追跡エラーを確認できた場合、手動でROIを修正し、部分的に自動追跡をやり直す機能をGUI上に実装した。微小流路内で保定された線虫ではあるが、頭部神経のカルシウムイメージングの4D動画約30匹程度に本手法を適用し、実用に足る追跡精度が得られた。自由行動中の線虫についても同様の4D動画を取得でき次第、追跡精度の検討をすすめる。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2020 2019 2018 その他
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (30件) (うち国際学会 8件、 招待講演 5件) 備考 (6件)
BMC Biology
巻: 18 号: 1 ページ: 30-30
10.1186/s12915-020-0745-2
Proc Natl Acad Sci U S A .
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