公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
本研究は既存の画像解析・機械学習アルゴリズムでは実現されていない、細胞種に依らない汎化性が高い高精度細胞セグメンテーションアルゴリズムの構築を自己符号化器を用いることで実現することを目的としている。平成31年度は教師なし学習で抽出した特徴を教師あり学習を行うモデルで利用するため、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を用いたセグメンテーションモデルである U-Net を元に様々なモデルを考案した。正解データなしにあらゆる細胞種に対応可能なアルゴリズムを目指す中で、今回の検証では一例として正解データ作成済みのHeLa細胞画像(以下HeLa)と正解データ未作成のNIH/3T3細胞画像(以下NIH/3T3)が存在するという場面を想定して学習と評価を行った。本研究で考案したそれぞれのモデルでHeLaの訓練データとNIH/3T3の顕微鏡画像を用いた学習を行い、学習済みモデルでNIH/3T3のセグメンテーションを行った。また、先行研究のU-NetモデルでHeLaの訓練データのみを用いた学習を行い、同様にセグメンテーションを行って提案手法との間で精度に関する比較評価を行った。精度評価にあたっては、高い値ほど高精度なセグメンテーションを表す評価指標のIoU(Intersection over Union)を用いた。先行研究のU-Netモデルによるセグメンテーションの精度は全セグメンテーション画像のIoUの平均値±標準偏差が0.711±0.040であったのに対し、本研究で考案したモデルによるIoUは最大で0.726±0.046となり、本研究で提案したアルゴリズムでは平均値では先行研究を上回ったが、その差が標準偏差を上回る精度向上は見られなかった。今後の展望として、本研究で得た知見をもとに特徴空間の分布に着目した、学習方法やモデルの改良が考えられる。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件)
病理と臨床
巻: 37 ページ: 631-635