研究領域 | 植物の成長可塑性を支える環境認識と記憶の自律分散型統御システム |
研究課題/領域番号 |
18H04781
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
遠藤 求 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (80551499)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
10,140千円 (直接経費: 7,800千円、間接経費: 2,340千円)
2019年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2018年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
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キーワード | 概日時計 / カリウム / 長距離輸送 / 栄養 / 時間情報伝達 / 維管束 |
研究実績の概要 |
植物における地上部と根の間での時間情報のやりとりを明らかにするため、維管束を介した栄養輸送に着目し研究を行った。特に植物の3大栄養素のうち、概日リズムに対する影響がよくわかっていなかったカリウムに着目した。 根にカリウムを投与すると地上部の概日時計の発現量が変化することから、道管内のカリウムイオン濃度を定量したところ、カリウムイオン濃度は概日リズムを刻んでいることが明らかとなった。時計変異体やプロトン-ATPaseの一つであるAHA1の変異体ではカリウムイオン濃度の概日リズムは消失していたことから、周期的な道管内のイオン変動には根の概日時計およびAHA1が重要であることが示唆された。AHA1遺伝子の発現は概日時計によって制御されていたことから、概日時計はAHA1を介してカリウムイオンの周期的な取り込みを行っていることが明らかとなった。 我々は、カリウムを欠乏させた培地で生育した植物の概日周期が不安定化し、こうした不安定化はカリウムの再添加によって解消することを見出した。このことから、根からカリウムの振動という形で伝えられる時間情報は地上部における遺伝子発現の周期安定性に寄与しているのではないかと考えた。実際、時計変異体やaha1変異体ではCAB遺伝子の概日周期も不安定化し、糖の産生量も低下することが明らかとなった。 糖は地上部から根へ時間情報を伝える因子であると想定されており、糖シグナルは直接または間接的にAHA1の活性に関わっていると考えられている。根から地上部へはカリウムを、地上部から根へは糖を介してそれぞれの器官が持つ時間情報を伝達している可能性が示された。これは遺伝子間のフィードバックループやオルガネラ間のフィードバックループよりはるかに高次元でのフィードバックループも存在しており、様々なレイヤーで概日リズムの安定化が図られていることを示すものとなった。
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現在までの達成度 (段落) |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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