公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
サイトカイニン(CK)は植物の成長・発達の様々な過程の制御に不可欠な植物ホルモンである。CKは局所シグナルとして作用するだけでなく、維管束を介して長距離輸送され、器官間(長距離)シグナルとしても働く。本年度はCKの長距離輸送を介した個体統御メカニズムの解明を目指し、(1)CKの維管束への積み込みの分子メカニズムと(2)CK長距離輸送の生理的役割の理解を目指した研究を実施した。(1) CKの道管への積み込みを司る因子ABCG14について、生化学的特性と機能組織の詳細な解析を進めた。生化学的特性の解析ではin vitro輸送アッセイ系の構築を行った。試行錯誤の結果、無細胞タンパク質発現系で発現したABCG14を埋め込んだ人工膜を用いるアッセイ系の構築に成功した。また機能組織の解析については、細胞種特異的にABCG14を発現させた形質転換体シリーズの確立を完了し、道管液のCK量や分子種の変化、地上部の成長などの解析を進めている。ABCG14は維管束内の特定の細胞から前駆体を排出することにより、CKの道管への積み込みを司ることを強く示唆する結果を得た。(2) 地上部の炭素栄養条件に応じた個体成長統御に、CKの長距離輸送が関与することを明らかにして論文発表した(Sci. Rep. 2019)。また地上部から根へのCK情報の長距離伝搬のメカニズムとその生理的役割を明らかにするため、CK生合成関連変異体を用いて様々な組み合わせで接ぎ木を行った。接ぎ木植物のCK量や根の成長を評価した結果、地上部由来のCKには根の成長を抑制する働きがあることが示唆された。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 4件、 査読あり 9件、 オープンアクセス 9件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 6件、 招待講演 1件) 備考 (2件)
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