公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
本研究では、唾液腺をモデルとして、新規組織幹・前駆細胞を同定するために、Wntシグナルにより発現する新規標的分子として、すでにAQP3を同定した。(1)前年度に作成したAQP3のラットモノクローナル抗体を用いてAQP3陽性細胞をMACSで単離した。AQP3陽性細胞から形成されるオルガノイドはAQP3陰性細胞から形成されるオルガノイドよりもサイズが大きく、増殖能が高い細胞集団であることが明らかになった(2)AQP3遺伝子座、ストップコドンの直下にIRES-CreERT2をノックインしたAQP3-IRES-CreERT2マウスを作製した。作製されたマウスでは、AQP3のmRNA発現がおそらくmRNAの不安定化によって著しく低下しており、AQP3のノックアウトに近い状態となっていた。本マウスは、過去の報告に一致して生存可能であるが、多尿の表現型を示し、唾液腺の構造と腺マーカーの発現に異常を認めた。現在、AQP3の開始コドン直下にCRE-ERT2を挿入したマウスを作製中である。(3)2018年―2019年の新学術領域「細胞ダイバース」の支援により、線維芽細胞に発現するMARK1がヘッジホッグシグナルを介してI型肺胞上皮細胞のガス交換のための機能的な細胞形態の扁平化を制御することを明らかにした(J. Cell Sci, 2019)。(4)2018年―2019年の新学術領域「細胞ダイバース」の支援により、小児に発生する稀な肝がんである肝芽腫において、高頻度に認められるβ-カテニンの活性型変異の下流で未分化な肝芽細胞の発がんを制御する因子としてGREB1を同定し、GREB1ががん抑制シグナルであるTGFβ-Smad経路を阻害するメカニズムを解明した(Nat. commun, 2019 )。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (10件) (うち国際共著 1件、 査読あり 10件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (13件) (うち国際学会 4件、 招待講演 7件) 備考 (2件) 産業財産権 (1件) (うち外国 1件)
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