公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
造血幹細胞移植では、致死量放射線照射によりレシピエントマウスの造血幹細胞は消失している。従って、細胞移植直後で造血能力を再構築する段階では、細胞数が少なく、細胞分裂のランダム性により細胞数の変化が大きく変動している可能性がある。微分方程式は平均的な細胞数の変化動態を記述しているため、ギレスピーアルゴリズムを用いて微分方程式の確率シミュレーションを実施した。また、開発したABMを用いてランダム性を比較する指標も導出する。そして、実験で観測されるランダム性が選択された数理モデルにより説明できるかを検証した。この様なサイクルを通じて、免疫系譜再構築実験データを定量的に再現できる血液細胞産生のシミュレータを開発した。さらに、網羅的なコンピュータシミュレーションにより各細胞の履歴を追跡することで、ロバスト性に対するバイパス経路の意義を明確にできた。また、“疾病状態”をシミュレートすることで、ロバスト性が維持される機構を分析した。今後、得られた知見は、造血幹細胞1細胞移植により造血系が回復したマウスに出血や感染によるストレスを与えるといった摂動実験を行うことで確認・検証する。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2020 2019 その他
すべて 国際共同研究 (10件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件)
J Biol Chem
巻: 295 号: 3 ページ: 800-807
10.1074/jbc.ac119.010366
Journal of Theoretical Biology
巻: 479 ページ: 29-36
10.1016/j.jtbi.2019.07.005