配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2018年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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研究実績の概要 |
申請者は、アーチ型ジカルボン酸[1,8-Anthracenedicarboxylic Acid(H2ADC)の2箇所あるカルボン酸のうち1箇所のみがロジウム二核骨格に配位した錯体[Rh2(O2CCH3)3(HADC)][錯体1]の開発に成功し、同ロジウム二核錯体が、非配位なカルボン酸基を使用してPCET機構にて水素を発生することが可能であることを電気化学測定から明らかにしている。本年度の研究では、H2ADCと類似な架橋分子構造を形成が期待できる2,7-Di-tert-butyl-9,9-dimethylxanthene-4,5-dicarboxylic acid(H2XDC)を配位子として有するロジウム二核錯体[Rh2(O2CCH3)3(HADC)] [錯体2]の開発, 電気化学測定, 光水素発生反応を調査した。錯体2は、酢酸ロジウムとH2XDCの水熱合成によって得られ、1H NMR, ESI-TOF-MS, 元素分析測定から目的物質が単離できていることを確認した。電気化学測定の結果から、錯体2は、錯体1と同様にPCET機構で水素発生が行われることが確認されたが、その水素発生電位は錯体1に比べ若干ネガティブな電位にシフトした。現在、密度汎関数(DFT)法を使用することで、詳細な水素発生機構を理論的に調査している。シクロメタレート型イリジウム錯体である[Ir(ppy)2(dtBubpy)]PF6を光増感剤として使用することで、錯体2は錯体1とほぼ同程度の水素発生が可能であることを確認できている。以上の研究に加え、(i)H2ADCを配位子として有するパラジウム二核錯体, 白金二核錯体, ルテニウム二核錯体のや(ii)[Rh2(O2CF3)3(HADC)]の開発を行い、それらの錯体が錯体1に比べより低過電圧で水素を発生可能であることを明らかにした。
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