配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2019年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2018年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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研究実績の概要 |
光合成初期過程における光励起ダイナミクスに関して、フェムト秒時間分解分光により、次のような領域内共同研究を行った。a) 光捕集アンテナ複合体LH2バイオハイブリッド内におけるエネルギー移動の高効率化およびLH1-RC複合体までのエネルギー移動と電荷分離反応の完全追跡(名工大・出羽研)、b) B800異種chlorophyll置換LH2のエネルギー移動(近大・佐賀研)、c) 光化学系Ⅱ反応中心(PSⅡ-RC)複合体におけるβカロテン(Bcr)光励起に始まる光合成初期過程(岡山大・梅名泰史)、d) 緑色硫黄細菌の反応中心(RC)における光合成初期過程(立命館・浅井智広)。 本年度は、このうちa)~c)について論文発表することができた。人工的に色素を付加したLH2バイオハイブリッドをLH1-RC複合体と脂質膜中で再構成し、人工色素を光励起したときのエネルギー移動とRCでの電荷分離反応をフェムト秒時間分解過渡吸収スペクトル測定により完全追跡した。さらに、これによる光電流の発生も確認した【Y. Yoneda et al., J. Phys. Chem. C accepted. 2020】。LH2内のB800を構成するbacteriochlorophyll aを異種chlorophyllに置換し、B850へのエネルギー移動を観測した【Y. Saga et al., ACS Omega accepted. 2020】。PSⅡ-RC複合体において、RC近傍のBcrを波長選択的に光励起すると、周辺アンテナ中のBcrを励起したときに比べて電荷分離が早く起こることが判明した【Y. Yoneda et al., J. Phys. Chem. Lett., 10, 3710, 2019】。
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