研究領域 | パレオアジア文化史学ーアジア新人文化形成プロセスの総合的研究 |
研究課題/領域番号 |
19H04527
|
研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
人文・社会系
|
研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所 |
研究代表者 |
国武 貞克 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 主任研究員 (50511721)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
2020年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2019年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
|
キーワード | 初期後期旧石器時代 / IUP / カザフスタン / タジキスタン / チョーカン・バリハノフ遺跡 / フッジ遺跡 / 香坂山遺跡 / 大型石刃 / 後期旧石器時代初頭(IUP期) / 中央アジア西部 / 尖頭器 / 発掘調査 / 小口面型大型石刃核 / 地床炉 / 放射性炭素年代分析 / OSL分析 / 後期旧石器時代初頭 / 多層遺跡 / 年代測定 |
研究開始時の研究の概要 |
ユーラシアにおける現生人類の北回りの拡散ルートを検討する上で、その大部分を占める中央アジア西部における後期旧石器時代初頭(IUP期)の様相解明は不可欠であるが、アルタイ地域を除くと確かな年代をもつIUP石器群は知られていない。この地域のIUP石器群がアルタイ地域と同じであるか否かは、ユーラシアにおける後期旧石器文化の成立の評価にかかわる課題である。 このため、カザフスタン南部のカラタウ山地とタジキスタン南部のザルフシャン山脈南麓において発掘調査を実施する。IUP期の可能性のある遺跡において可能な限り発掘調査を実施し、中央アジア西部におけるIUP期の様相を解明するための新資料の獲得を目指す。
|
研究実績の概要 |
本研究における最大の達成目標としていた中央アジア西部における初期後期旧石器時代(IUP期)の石器群の解明については、カザフスタン及びタジキスタンにおける野外調査により概略を把握することが出来た。2019年7-8月のカザフスタン南部カラタウ山地におけるチョーカン・バリハノフ遺跡第8-10文化層の発見により、この地域では最古となる4万年前の大型石刃のインダストリーを新しく検出することが出来た。立体剥離型の大型石刃核を検出するとともに、ルヴァロワ並行剥離による平面剥離型の石刃核の共存を確認した。さらに4万年前の放射性炭素年代値を得ることが出来た。これは天山北麓地域の最古の後期旧石器時代遺跡でありIUP期終末の年代値となる。 これに加えて、2019年10月にタジキスタン南部のザラフシャン山脈南麓のフッジ遺跡においてタジキスタン科学アカデミーと奈良文化財研究所による共同発掘調査を実施した。その結果、約3000点の石器と獣骨、炭化物が厚さ5.5mのレス堆積に4枚の文化層に分かれて包含されていた。地床炉の木炭から放射性炭素年代測定による4万5千年~4万7千年前の年代値を得た。 中央アジア西部のIUP石器群は、アルタイとくらべて大型石刃生産技術にルヴァロワ技法の影響が少ない点や尖頭器の形態組成に違いがあるなど、部分的には地域的な特徴を示す。しかし大型石刃生産、小石刃生産、尖頭器生産という3セットを基本とする石器群であり、アルタイIUPと共通する石器組成と技術組成を示すことが判明した。 さらに古日本列島へのIUP石器群の影響を評価するために長野県香坂山遺跡の発掘調査を2020年8-9月に実施した。その結果ユーラシアIUP石器群の系譜が列島の後期旧石器時代初頭に到来した証拠とみられる石器群を新たに把握した。現生人類のユーラシア北回りの拡散の波が列島に及んでいた可能性を示唆するものとみられる。
|
現在までの達成度 (段落) |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|