研究領域 | 特異構造の結晶科学:完全性と不完全性の協奏で拓く新機能エレクトロニクス |
研究課題/領域番号 |
19H04532
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
谷川 智之 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (90633537)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 多光子顕微鏡 / 転位 / 半導体 / 三次元イメージング / フォトルミネッセンス / 窒化ガリウム / シリコンカーバイド / 多光子励起フォトルミネッセンス / GaN / 特異構造 / 欠陥 |
研究開始時の研究の概要 |
持続可能な低炭素社会の実現に向けて、次世代半導体を用いた極めて損失の少ない発光デバイスやパワーデバイスが求められている。本研究では、次世代半導体を用いたパワーデバイスを実現するために必要な結晶欠陥の非侵襲観察技術の研究を行う。観察には、多光子励起フォトルミネッセンスを用いる。欠陥がキャリアを捕獲する性質を利用し、三次元発光分布から欠陥の位置を特定し、発光コントラストや三次元形状から欠陥の種類や性質を分類する技術の構築を目指す。
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研究実績の概要 |
多光子励起フォトルミネッセンス法によるワイドギャップ半導体の非破壊結晶欠陥手法の確立に向けて、GaNおよびSiCの結晶欠陥の観察方法および識別方法の確立を目的としている。昨年度までに、GaN結晶中の貫通転位とSiC結晶中の貫通転位、基底面転位、積層欠陥を検出するための観察条件を確立した。また、GaNの貫通転位が刃状・らせん・混合に分類できる可能性を示した。令和2年度は、さらに高精度に転位種を識別するために、多光子励起フォトルミネッセンスで観察される像の輝度や形状を数値化し、統計的分類を試みた。さらに、エッチピット法に基づく転位種の識別結果と照合し、バーガースベクトル毎に5種類に分類できることを示した。 ハライド気相成長法を用いて作製したn型GaN自立基板に対し、以下の手順で評価を実施した。まず、440 ℃のKOHとNaOH融液にGaN基板を浸してエッチピットを形成し、ピットの形状やサイズを基に転位種を識別した。次に多光子励起フォトルミネッセンス法を用いてGaNのバンド端近傍発光の三次元イメージングを行い、ピットから深部の転位を観察した。次に、ピットのサイズや形状と多光子励起フォトルミネッセンス像の対応を調べ、多光子励起フォトルミネッセンス像で観察される貫通転位の特徴を転位種ごとに考察した。最後に、多光子励起フォトルミネッセンス法で観察された貫通転位の濃淡や結晶c軸からの傾斜角や面内の方位角を抽出し、ヒストグラムを作成し分類を試みた。 エッチピットは、サイズや形状を基に5種類に分類された。ピットサイズはバーガースベクトルbの大きさによって序列が決まることから、主となるb=1a, 1c, 1a+1cの転位のほかに、b=2cやb=2a+1cのような大きな成分を持つ貫通転位の存在が示唆された。主となる転位について、輝度と傾斜角から統計的に分類することができた。
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現在までの達成度 (段落) |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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