研究領域 | 特異構造の結晶科学:完全性と不完全性の協奏で拓く新機能エレクトロニクス |
研究課題/領域番号 |
19H04536
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
渡邉 聡 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (00292772)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 特異構造 / 第一原理計算 / 窒化物半導体 / フォノン / 機械学習 |
研究開始時の研究の概要 |
窒化物半導体の欠陥等の特異構造におけるフォノン物性は、発光デバイスの効率やパワーデバイスの発熱密度を左右すること等から重要であるが、まだよくわかっていない。本研究では、強い分極や複数の荷電状態の存在等の窒化物半導体の特徴を考慮しつつ、その特異構造におけるフォノン挙動を解析するための機械学習ポテンシャルを開発する。開発した原子間ポテンシャルを用いて窒化物半導体におけるフォノンバンド構造やフォノン状態密度を計算し、特異構造の導入によるフォノンの振舞いの変化を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究では、窒化物半導体におけるフォノンバンド構造やフォノン状態密度を計算し、特異構造の導入によるフォノンの振舞いの変化を明らかにすることを目指し、機械学習ポテンシャルの開発に取り組んだ。 令和2年度は、まずGaNの特異構造におけるフォノン挙動の解析に際して十分な精度を持つニューラルネットワーク原子間ポテンシャル(NNP)の開発とその応用に引き続き取り組んだ。前年度に原子空孔欠陥導入によるフォノンバンド構造および熱伝導特性の変化について予備的な結果を得たが、本年度は無欠陥の場合と空孔欠陥を導入した場合の両方について十分な精度を有するNNPの作成に成功した。そして、これを用いてGa16N16セルからN原子1個を除いた系のフォノンバンド構造を計算したところ、欠陥周辺に局在するフォノンモードについては第一原理計算と若干のずれが見られるものの、おおむね第一原理計算と一致する結果を得た。次にこの系の熱伝導率を計算し、無欠陥の場合に比べて熱伝導率が大幅に低下することを確認した。さらに、NNPの計算負荷が第一原理計算より軽いことを活かし、欠陥密度がより低い場合についても計算を進めており、今後早急に解析を進めて熱伝導率の欠陥密度依存性の研究を完成させる予定である。 次に、InN/AlN界面を対象にNNPの開発に取り組み、無欠陥および中性欠陥のみを含む系に対して十分な精度のNNPを作成することに成功した。さらに、様々な荷電状態の欠陥を同時に扱うために、系の荷電状態を陽に考慮したNNPも開発し、この方法で十分な精度を達成できることを示唆する予備的な結果を得た。 さらに、外部電場への応答を解析するためにニューラルネットワークによる有効電荷の予測についても引き続き取り組み、構造を記述する対称性関数を工夫することによって前年度までより大幅な精度向上を達成できた。
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現在までの達成度 (段落) |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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