研究領域 | 特異構造の結晶科学:完全性と不完全性の協奏で拓く新機能エレクトロニクス |
研究課題/領域番号 |
19H04544
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
市川 修平 大阪大学, 超高圧電子顕微鏡センター, 助教 (50803673)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 窒化ガリウム / ステップバンチング / マクロステップ / 不純物 / 希土類 / 窒化物半導体 / MOVPE / ステップフロー成長 / 歪 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、微傾斜基板上の窒化物半導体エピタキシャル成長の過程において、希土類元素を添加した「希土類添加中間層」をデバイス構造の下地として導入することで、表面のマクロステップ構造を制御しつつ、転位密度の低減を図る新奇結晶成長手法を提案する。希土類添加条件の最適化によりマクロステップを除去した微傾斜成長表面では、通常の成長手法では得られ難い超平坦かつ超高密度の原子ステップ構造が得られる。本手法の利用は、マクロステップにおける電界集中を抑制する効果だけでなく、n型・p型伝導度制御に不可欠なSi, Mg等の不純物取り込み機構の変化など、窒化物半導体デバイスに与える未開拓効果が期待できる。
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研究実績の概要 |
窒化ガリウム(GaN)をはじめとしたIII-V族窒化物半導体のデバイス特性向上を目指し、結晶成長技術の観点から研究に取り組んでいる。とくに本研究課題では、希土類元素の添加がGaN系半導体の結晶成長様式を大きく変化させることに着目した。最終年度では、微傾斜サファイア基板上にGaNの成長を行い、表面にマクロステップを形成させた後にEu添加層を中間層として導入し、その上部に再度無添加GaN膜を厚さを変えながら成長することで、マクロステップが除去されていく成長過程を蛍光顕微鏡と光学顕微鏡の同時観察により評価した。 添加されたEuはマクロステップ端に集中的に取り込まれ、成長に伴うマクロステップの進行を妨げることで表面のマクロステップを除去し、同時にEu添加層が適切な歪緩和層として働く事で、上部に成長した無添加GaN層の平坦な原子ステップ表面を持続的に実現することが明らかになった。この結果は、Eu添加GaN層上にInGaNなどの混晶を作製する際にも、圧縮歪の緩和に伴う、Inの取り込み量増大を誘起する可能性を示唆するものである。
また、マクロステップ除去後の微傾斜GaN表面にSi添加またはMg添加を施すことで、表面平坦性を維持したままpn伝導度制御を実現できることを見出した。とくにSi添加時にはAlを微量に共添加することで新たに発生するステップバンチングを抑制しつつ、n型層の成長ができることを示し、本研究の目標であった表面平坦なバイポーラ素子の作製に成功した。
上記の知見を活かし、Eu添加GaN層上にInGaN量子井戸構造を有するLED構造を作製することで、三原色LEDの集積を実現する等、デバイス応用に向けた展開の一端も示すことが出来た。
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現在までの達成度 (段落) |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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