研究領域 | 配位アシンメトリー:非対称配位圏設計と異方集積化が拓く新物質科学 |
研究課題/領域番号 |
19H04556
|
研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
北川 裕一 北海道大学, 化学反応創成研究拠点, 特任講師 (90740093)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 発光 / 希土類錯体 / アントラセン / トリボケミカル反応 / ユウロピウム / トリボルミネッセンス / 不斉反応 / 力学的刺激 / キラリティ / メカノケミストリー / 化学反応 / キラリティー / 力学的な力 |
研究開始時の研究の概要 |
不斉合成とは光学異性体の一方を選択的に化学合成することを示す。新しい不斉合成法の開拓は新しい医薬品、液晶材料の開発や生命のホモキラリティー起源解明につながるため重要視されている。その不斉合成法の一つとして光励起により形成する励起状態を介した手法が報告されている。本研究では、希土類錯体を用いて力学的な力により形成する励起状態を利用した新しい不斉合成法を検討する。
|
研究実績の概要 |
力学的刺激によって引き起こされる化学反応は有機溶媒を必要としないだけでなく、特異的な反応選択性を示すことも報告されており、近年注目を集めている。これまで力学的刺激によって主に「基底状態」における化学反応が報告されてきた。本研究では力学的な刺激により「励起状態」を形成する希土類錯体に着目した。この希土類錯体は八配位構造を形成し、有機配位子を密に集積させることができる。この有機配位子として反応性が高いアントラセン骨格を導入した希土類錯体を用いて、力学励起反応特性およびそれにより生じる結晶場変化について検討した。 アントラセン骨格を導入したユウロピウム配位高分子の単結晶を作成した。X線構造解析の結果、この配位高分子ユニットは反転中心対称をもたない八配位スクエア・アンチプリズム構造を有していることがわかった。この結晶を力学的な刺激を与えて粉砕した。粉砕後の試料についてESI-MS測定を行ったところ、アントラセン酸化体に由来する信号が観測された。これより、力学的な刺激によってアントラセンの酸化反応が進行したことが示唆された。光照射した試料についても酸化体の生成がESI-MS測定により確認された。反応前試料の発光スペクトルにおいてアントラセンに由来するブロードな発光帯が観測された。粉砕後の試料では、ユウロピウム由来のシャープな発光帯(610nm付近)が観測された。これは、酸化によってアントラセン配位子の励起エネルギー準位がユウロピウムの発光準位より高くなるためと考えられる。また、ユウロピウムの発光スペクトル形状が粉砕試料と光照射試料で異なっており、ユウロピウムイオンに働く結晶場に違いが生じていることが分かった。それぞれの発光寿命も異なっており、力学的な刺激と光励起で異なった生成物が生じていることが明らかとなった。
|
現在までの達成度 (段落) |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|