研究領域 | 配位アシンメトリー:非対称配位圏設計と異方集積化が拓く新物質科学 |
研究課題/領域番号 |
19H04564
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
内田 さやか 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (10361510)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | イオン結晶 / 複合材料・物性 / 固体電解質 / ポリオキソメタレート / 希土類 / ポリマー / イオン伝導 / 分子性固体 |
研究開始時の研究の概要 |
ポリオキソメタレート(POM)は表面電荷密度の低いアニオンでありカチオンの伝導を効率良くアシストできる.POMとアルカリ金属イオンを構成ブロックとする無機イオン結晶のチャネル内に酸性あるいは塩基性官能基を有するポリマーを単分子として導入し,組成-構造―機能の相関を明確にしたうえで,ポリマーのコンフォメーション/セグメント運動を活用したプロトン伝導を実現する.研究成果は,スーパーサイエンスハイスクール,化学グランプリ,国際化学オリンピック,大学前期教養課程・全学ゼミ,の活動を通じて社会に還元する.
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研究実績の概要 |
化石燃料に依存しない持続可能な社会の構築、深刻化する地球温暖化問題の解決手段の一つとして、水素をエネルギー源とする水素社会への移行が注目を浴びている。なかでも燃料電池は、水素と空気中の酸素の化学反応を利用して電気を取り出すシステムであり、水素利用における最重要技術の一つである。しかし、反応により生成した水素イオンの伝導を担う電解質は、アモルファス材料が多いために組成-構造-性能の相関が不明瞭で性能向上の指針が得られにくく、さらに、フッ素や硫黄など環境に有害な元素を含むためにリサイクルや廃棄処理に問題があるなど、性能面、環境面で多くの課題がある。本研究にて、新たな電解質材料の構成ブロックとして用いたポリオキソメタレートは、高い水素イオン伝導性を示すことが知られているものの、水蒸気や熱への耐性が低いという欠点がある。この欠点を克服するため、配位数が大きく多数の水分子を安定に結合できる希土類イオン、さらに、水素イオンの伝導経路を構築するポリアリルアミンを用い、組成-構造-性能の相関が明確な材料を合成することを目的とした。得られた結晶の構造解析の結果、希土類イオンがポリオキソメタレートに直接結合し、カリウムイオンとの間に働く静電相互作用によりイオン結晶が構築され、結晶のナノ細孔にはポリアリルアミンと水分子が含まれることがわかりました。交流インピーダンス法により、得られた結晶が実用化材料に匹敵する高い水素イオン伝導性を示すことがわかった。X線吸収微細構造、赤外分光法により、ラマン分光法により、希土類イオン、ポリアリルアミンと水分子がナノ細孔中で密な水素結合ネットワークを形成し、水素イオンの輸送を協同して担うことが明らかになった。以上、ポリオキソメタレート・希土類イオン・ポリマーが結晶内で協奏することにより、高い構造安定性と水素イオン伝導性を両立する固体電解質材料の開発に成功した。
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現在までの達成度 (段落) |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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