研究領域 | 配位アシンメトリー:非対称配位圏設計と異方集積化が拓く新物質科学 |
研究課題/領域番号 |
19H04573
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
廣瀬 崇至 京都大学, 化学研究所, 准教授 (30626867)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | ヘリセン / キラリティー / 円偏光発光 / 遷移双極子モーメント / 量子化学計算 / 分子らせん / キラル配位子 / 円二色性 / 自己集合 / ピレン / ソルバトクロミズム / エキシマー発光 / 非対称因子 / 遷移磁気双極子モーメント |
研究開始時の研究の概要 |
黒鉛の単一原子層である「グラフェン」は、極めて優れた熱・電気伝導性を示すことから、次世代の機能性分子材料の有力な候補として期待されている。 本研究では、らせん状にねじれたグラフェンの基本構造に対応する化学構造を持つ「らせん状芳香族化合物」と金属イオンが規則的に混合したハイブリッド型の集積構造について研究を行う。グラフェンの熱・電気伝導性とらせん状分子のキラリティーが組み合わさることで、興味深いキラルな分子物性の発現が期待できる。
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研究実績の概要 |
本年度は、らせん状のキラリティーを持つ芳香族化合物であるヘリセンの分子構造と円偏光発光 (CPL) 特性について調査を行った。 2個の[5]ヘリセンの2,13位をC-C単結合で繋いだ8の字型のヘリセンダイマーは、D2対称性の分子構造に由来して最低励起エネルギー遷移に関する遷移電気双極子モーメント (TEDM) と遷移磁気双極子モーメント (TMDM) が平行に配置しており、優れたCPL特性 (発光量子収率 Φf = 0.08, 非対称性因子 gCPL = 1.5 × 10^-2) を示すことが実験および理論計算の両面から明らかになった。 また、[7]ヘリセンは最低励起エネルギー遷移に関するTEDMおよびTMDMの強度が低く発光量子収率がΦf = 0.05と小さい特性が見られるが、[7]ヘリセンの7,12位に電子求引基、3,16位に電子供与基を導入した[7]ヘリセン誘導体では、最低励起エネルギー遷移に関するTEDMおよびTMDM強度が大きく向上することに由来して、CPL強度が10倍以上に向上することを明らかにした。独自に開発したプログラムを用いた遷移双極子モーメント密度マッピングにより、[7]ヘリセンの5,10位に導入したシアノ基が遷移電気双極子モーメント強度の増加に大きく寄与しており、遷移磁気双極子モーメントは[7]ヘリセンの中央部のベンゼン環に主に由来することが明らかとなった。 以上のように、本研究では実測で得られたCPL特性の定量的な解析手法の開拓に成功し、今後の更なる優れたCPL発光特性を示す有機化合物の分子設計指針の構築に繋がると期待できる。
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現在までの達成度 (段落) |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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