研究領域 | 配位アシンメトリー:非対称配位圏設計と異方集積化が拓く新物質科学 |
研究課題/領域番号 |
19H04583
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
三方 裕司 奈良女子大学, 自然科学系, 教授 (10252826)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | キノリン / イソキノリン / 不斉酸素原子 / エナンチオマー / 蛍光プローブ / 亜鉛 / カドミウム / マンガン / 光学分割 |
研究開始時の研究の概要 |
非共有電子対を2つ有する酸素原子上にキラリティーを発生させるためには、酸素原子の非共有電子対の片方に金属を配位させると同時に、残る非共有電子対の反転を抑制する必要がある。申請者は、糖連結配位子を用いて研究を開始し、その銅(II)錯体において不斉酸素原子に基づく異性体が室温・溶液中でも存在し得ることを世界に先駆けて報告している。本研究ではこの発見を足がかりに、より精密に分子設計されたキノリンおよびイソキノリン含有配位子を用い、適切な金属イオンの選択を通じて「不斉酸素原子」という概念を一般化する。
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研究実績の概要 |
今年度は、(イソ)キノリンの特性を活用した配位子を用い、適切な金属イオンの選択を通じて配位アシンメトリに関する以下3件の研究テーマについて研究を行った。 1.不斉窒素原子と不斉酸素原子を有する銅錯体の合成と光学分割の試み 金属に配位することにより不斉窒素原子と不斉酸素原子を発生するアキラルな配位子およびさらに不斉炭素原子を導入したキラルな配位子を用いて、銅、パラジウム、白金などの金属錯体を調製した。得られた錯体のX線結晶構造解析により、金属に配位した不斉窒素原子の配置および不斉炭素原子に連動した不斉酸素原子の発現が確認された。現在引き続きHPLCおよびキラルなカウンターアニオンを用いた再結晶による光学分割を検討中である。 2.イソキノリンの特性を利用した亜鉛およびカドミウムイオンの蛍光識別 4つのイソキノリン部位を有する化合物である3-isoTQLNは、同族元素である亜鉛イオンおよびカドミウムイオン存在下で異なる波長における蛍光増大を示した。他の金属イオン存在下では蛍光応答は見られなかった。対応するキノリン誘導体(TQLN)およびイソキノリン異性体(1-isoTQLN)との比較から、この興味あるデュアルセンシング機構のメカニズムの詳細を明らかにした。 3.(イソ)キノリンの特性を活用したビスオキソ架橋マンガン二核錯体の構造と酸化還元特性 ピリジン、キノリン、イソキノリン、キノキサリン部位を有する15種類の配位子を用いてダイアモンドコア構造を有するビスオキソ架橋マンガン二核錯体を調製した。キラルなシクロヘキサンジアミン骨格を有する配位子ではホモダイマーのみが得られた。それらの酸化還元電位とX線結晶構造解析から得られた金属中心の配位環境および配位子の構造的特性との関係を詳細に議論した。従来広く用いられているピリジンとの比較により(イソ)キノリン配位子の特性を明らかにした。
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現在までの達成度 (段落) |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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