研究領域 | 配位アシンメトリー:非対称配位圏設計と異方集積化が拓く新物質科学 |
研究課題/領域番号 |
19H04603
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 京都大学 (2020) 分子科学研究所 (2019) |
研究代表者 |
須田 理行 京都大学, 工学研究科, 准教授 (80585159)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | スピントロニクス / スピン偏極電流 / ナノ粒子 / キラリティ / 自己組織化 |
研究開始時の研究の概要 |
キラリティは「空間反転対称性Pは破るが、純粋回転Rと時間反転対称性Tとの組み合わせRTは破らない」と定義される。すなわち、局在したスピン偏極電子や(非スピン偏極)電流はアキラルな現象と定義されるのに対し、スピン偏極電流はキラルな現象と定義される。この事実は、アキラルな電流からキラルなスピン偏極電流へのキラル分子による物性変換の可能性を示唆する。本研究では、キラル配位子を修飾した金属ナノ粒子を電極間に超格子化することで、ここを流れる電流に対し"多重CISS(Chiral-induced spin-selectivity)効果"を与え、100 %に限りなく近い高スピン偏極率を実現する。
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研究実績の概要 |
分子や結晶のキラリティと物理現象のキラリティを統合する“真のキラリティ”は「空間反転対称性Pは破るが、純粋回転Rと時間反転対称性Tとの組み合わせRTは破らない」と定義される。すなわち、電流はアキラルな現象と定義されるのに対し、スピン偏極電流はキラルな現象と定義され、電流からスピン偏極電流へのキラル分子による新たな変換原理の可能性を示唆する。実際に、キラル分子によるスピン偏極現象Chiral-induced spin-selectivity (CISS)効果が近年報告された。研究代表者はこれまでに、キラル分子モーター単分子膜やキラル金属結晶におけるスピン偏極電流の生成とキラリティによるスピン偏極方向の制御に成功している。一方で、デバイス応用を志向するには、更なるスピン偏極率の向上が必須である。 本研究では、金属ナノ粒子のキラル分子によるネットワークを用いて"多重CISS効果"を実現し、高スピン偏極電流の生成を目指している。実際に、粒子径約5 nmのAuナノ粒子とキラルジチオール(D or L-dithiothreitol)の交互積層膜を作製することで、「多重CISS効果による高スピン偏極率の実現」という仮説の実証を行った。この複合膜上にNi磁性電極をスパッタすることで、磁気抵抗デバイスを作製した。得られたデバイスの基板と垂直方向に磁場を印加し、磁気抵抗を測定したところ、20%以上の巨大な磁気抵抗が観測され、高スピン偏極率の実現が示唆された。一方で、アキラルなmeso体のジチオールで作製した複合薄膜では磁気抵抗は観測されず、得られたスピン偏極電流がキラル分子由来であることが示された。以上の結果は、多重CISS効果によって高いスピン偏極率を有するスピン偏極電流が生成されたことを強く示唆する結果である。
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現在までの達成度 (段落) |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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