研究領域 | 生物合成系の再設計による複雑骨格機能分子の革新的創成科学 |
研究課題/領域番号 |
19H04634
|
研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
尾瀬 農之 北海道大学, 先端生命科学研究院, 准教授 (80380525)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
2020年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2019年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
|
キーワード | 蛋白質フォールディング / ポリエーテル天然物 / 共結晶解析 / NMR / 組換え放線菌 / 結晶解析 / 蛋白質科学 |
研究開始時の研究の概要 |
Monensin生合成をモデルケースとしてポリエーテル骨格構築機構の解明に取り組んでいる。多様性を決定づけるエーテル環の導入は,特徴的な環化酵素が担うことが,最近は広く知られてる。Monensinの場合,その骨格を構築するために3 回の環化反応が必要である。しかしながら,モネンシン生合成遺伝子クラスター中には、環化酵素と考えられる遺伝子が2つしか存在しないため,2つの蛋白質がどのように3 回の環化反応を触媒するかを解明することで,複雑なポリエーテル骨格構築メカニズムを一般化できると考えた。結晶構造解析とNMR分光法を組み合わせて,新奇な蛋白質の性質を明らかにしたい。
|
研究実績の概要 |
特定の立体構造を形成しないIntrinsically Disordered Protein (IDP)あるいはIDRと呼ばれる蛋白質領域が機能発現をする事実は,1990年代にはよく知られるようになり,種々の例が研究され,多くの総説にまとめられている。統計法にもよるが,真核生物・ウイルスでは44-56%もの翻訳領域がIDRであるとさえいわれる。IDRとして特に研究が進んでいるものは,高等生物シグナル伝達系・転写翻訳系に多く含まれ,他の蛋白質との相互作用時に過渡的構造形成をおこなう例である。加えて近年では,液-液相分離や蛋白質水和ゲル化にIDRが深く関わり,生体分子の安定化,機能の局在化を決定する因子として注目されるなど,当初の予測を超えたIDRの性状・機能多様性が発見されたが,既知情報は氷山の一角であると思われる。本研究ではポリエーテル骨格構築経路に隠された巧妙なトリックを,monensin生合成をモデルケースとして解明することができた。多様性を決定づけるエーテル環の導入は,環化酵素MonBIおよびMonBIIのペアが担う。これまで基質アナログ体を使用した構造研究により,MonBIは酵素としての機能をもたず,MonBII活性化のための補助的な役割を果たすことがわかた。X線とNMRを組み合わせた研究から,大きな基質を収容するための長大ポケットを持ち,かつ反応過程に応じて形が異なる基質を認識するMonBIIは,単独で立体構造を形成できない蛋白質であることをつきとめた。酵素全長が構造非形成蛋白質(IDP)である例は無く,さらに相同性の高い2種の蛋白質が,一方はIDPとして活性担当,もう一方は構造形成・維持のための足場となる例はこれまでに無い。つまり,酵素MonBIIの活性構造形成を誘導する「ペア型」新奇シャペロン機構を提唱し,存在意義やこの機構の完全な証明ができた。
|
現在までの達成度 (段落) |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|