公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
ドウモイ酸(DA)とカイニン酸(KA)などのカイノイドはイオンチャネル型グルタミン酸受容体のカイニン酸タイプの強力なアゴニストであり、脳研究に重要だ。我々は紅藻ハナヤナギからDA生合成中間体を単離、構造決定し、DA生産珪藻を用いたラベル体の取り込み実験で1種の化合物がDAの前駆体であることを証明した。本研究では、最近発見したKA関連化合物4種を単離、構造決定し、KA生合成がDA類似の機構か考察する。さらに、化学合成により多様なプレニル側鎖を有する閉環前の前駆体を調製し、DA生合成の環化酵素DabCをクローニングして発現して反応させ、得られる各種DA類似化合物を解析し生理活性を明らかにする。
ドウモイ酸(DA)とカイニン酸(KA)はカイノイドと呼ばれ、イオンチャネル型グルタミン酸受容体のカイニン酸タイプの強力なアゴニストである。DAは紅藻と珪藻、KAは紅藻で生産される。我々はDA, KAの開環型の前駆体を、紅藻ハナヤナギやマクリより単離、構造決定した。また、DAの開環型前駆体をDA生産珪藻培地に添加すると、DAに変換することを報告した。一方、Mooreらは、DA生産珪藻よりDA生合成遺伝子クラスターを、また、紅藻マクリよりKA生合成遺伝子クラスターを報告した。本研究では、DA, KAの開環型前駆体を環状化するDabCと KabC (α-KG依存性dioxygenase)を利用して新規カイノイドを得て、その生物活性を調べることを目的とした。DA生産珪藻Pseudonitzschia multiseriesは連携研究者の福島学院大学の小瀧裕一教授から供与いただき、当研究室で培養し、DNAを精製した。また、紅藻マクリは連携研究者の鹿児島大学、寺田竜太教授から供与いただき、DNAを抽出した。それぞれのDNAを鋳型としてMooreらの報告に基づきPCRによって、DabC, KabCの遺伝子を得て、発現ベクターに組み込み、大腸菌を用いてDabC, KabC酵素を発現させた。一方、DabC, KabCの基質となる開環型の前駆体は、プレニル基部分を修飾し、L-グルタミン酸と反応させて、化学合成で数種調製した。それを個別に上記の大腸菌発現系の培地に加えて、in vivo系の酵素反応による環状化を行い、生物活性が未知の新規のDA, KA類縁体を数種調製した。また、これらの化合物は極性が非常に高く、培養液からの精製には方法を検討する必要があったが、ほぼ確立できた。一部はマウスを用いた生物活性試験を行った。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (18件) (うち国際共著 6件、 査読あり 17件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (49件) (うち国際学会 6件、 招待講演 5件) 図書 (1件) 備考 (2件)
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