研究領域 | 新光合成:光エネルギー変換システムの再最適化 |
研究課題/領域番号 |
19H04712
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
泉 正範 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 上級研究員 (80714956)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 葉緑体 / 光阻害 / プロトン駆動力 / クロロファジー / オートファジー |
研究開始時の研究の概要 |
植物細胞内で光エネルギーを吸収して光合成を行っている葉緑体は、使う光と捨てる光の量を調節できる「プロトン駆動力制御」という仕組みにより、過剰な光の吸収で強いダメージが生じることを防いでいる。一方私達の研究グループは、強いダメージが起きてしまった葉緑体を選び取って除去するクロロファジーという現象を発見してきた。よってそこには、プロトン駆動力制御で守り切れなかった葉緑体を見つけて除去するための情報伝達の仕組みがあるはずであり、その解明を本研究で目指す。さらに「壊れた葉緑体を除去する」ことが植物が成長するためにどのように重要なのかを評価し、太陽光の下で生きる植物が獲得した生存戦略の一つを解明する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、葉緑体内部のチラコイド膜で生じる光阻害が、細胞質のオートファジーマシーナリーを誘導するに至るシグナル伝達系と、その過程におけるプロトン駆動力のふるまいを明らかにすることである。R2年度は以下2項目について下記のような進展があった。 【1】膨張葉緑体のプロトン駆動力測定:クロロフィル蛍光寿命を利用し、プロトン駆動力を形成するチラコイド膜の状態を、顕微鏡観察下で評価する系の構築を進めた。また、プロトン駆動力を解消する阻害剤の効果を検証し、その処理においても、葉緑体の形態異常が起こること、それに伴いクロロファジーが活性化することを見出した。よってプロトン駆動力の変動がクロロファジー誘導過程における一つの重要なシグナルとなることが示された。 【3】包膜を介した浸透圧ポテンシャルと葉緑体膨張の関係評価:包膜を介した浸透圧ポテンシャルが異常になるトランスポーター変異株においては、光阻害時に、チラコイド膜への障害が増えなくともクロロファジー活性が上昇することを見出した。また、可溶性糖の葉緑体内部への過剰蓄積により包膜ポテンシャルが異常となる変異株では、光阻害処理無しで葉緑体の形態異常が起こり、クロロファジーが誘導されることを見出した。よって葉緑体包膜の膜ポテンシャルの異常、あるいはそれに伴う膜の傷が、葉緑体から細胞質に伝わる直接のクロロファジー誘導シグナルであることが強く示された。
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現在までの達成度 (段落) |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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