研究領域 | 新光合成:光エネルギー変換システムの再最適化 |
研究課題/領域番号 |
19H04733
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 岡山大学 (2020) 京都産業大学 (2019) |
研究代表者 |
桶川 友季 岡山大学, 資源植物科学研究所, 助教 (10582439)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 光合成 / サイクリック電子伝達 / 光化学系I / チオレドキシン / レドックス制御 / シロイヌナズナ / 葉緑体 / 電子伝達 / レドックス / PSIサイクリック電子伝達 |
研究開始時の研究の概要 |
植物は葉の葉緑体で光合成反応をおこなうことによって太陽の光エネルギーを生命が利用可能な化学エネルギーに変換している。植物は効率的に光合成をおこなうために様々な制御システムを備えている。 本研究はその制御システムの一端を担うチオレドキシンに注目している。チオレドキシンとはあらゆる生物に普遍的に存在し、酵素などの働きを調節しているタンパク質である。植物が光合成を効率的におこなう上で、チオレドキシンがどのような役割を持つのかを分子レベルで明らかにすることが本研究の目的である。 チオレドキシンによる光合成の制御メカニズムが明らかになれば、植物の光合成の能力およびストレス耐性能力を改善できる可能性がある。
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研究実績の概要 |
光合成電子伝達経路の1つである光化学系I (PSI) サイクリック電子伝達は光合成と光防御に必須である。しかし、分子レベルでの制御機構や制御の生理的意義に関する研究はあまり進んでいなかった。そこで本研究では、レドックス制御タンパク質であるチオレドキシン (Trx) の標的タンパク質がPSIサイクリック電子伝達に関わるPGRL1であることを明らかにし、その制御機構を分子レベルで解明することを目的に研究をおこなった。研究材料として用いたシロイヌナズナの葉緑体には5タイプのTrx (f, m, x, y, z) が局在している。 単離したチラコイド膜とTrxタンパク質を用いたin vitroの実験から、還元型のm型Trxが特異的にPSIサイクリック電子伝達を負に制御することを明らかにした。PGRL1のシステイン置換形質転換体を用いたin vivoの解析では、m型TrxがPGRL1の123番目のシステインとジスルフィド結合し、複合体を形成することによってPGR5/PGRL1依存のPSIサイクリック電子伝達を部分的に抑制することが明らかになった。またどのような条件でPSIサイクリック電子伝達が抑制または活性化されるかを調べるために様々な光条件で検討をおこなった。その結果、暗条件では形成されていたm型TrxとPGRL1の複合体が光照射によって一過的に解離することがわかった。これは光合成誘導期にPSIサイクリック電子伝達が活性化することを示唆した。これらの結果を論文として報告した。 さらに変異体の解析からf型TrxとPGR5/PGRL1依存のPSIサイクリック電子伝達が光合成誘導期に協調的に効率的な光合成の立ち上がりに寄与することを明らかにした。両方を欠損したシロイヌナズナの変異株では葉緑体のストロマが過還元状態となり光合成電子伝達が抑制されていた。この結果も論文として報告した。
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現在までの達成度 (段落) |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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