研究領域 | スクラップ&ビルドによる脳機能の動的制御 |
研究課題/領域番号 |
19H04743
|
研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
杉山 陽子 (矢崎陽子) 東京大学, ニューロインテリジェンス国際研究機構, 特任准教授 (00317512)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
9,360千円 (直接経費: 7,200千円、間接経費: 2,160千円)
2020年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2019年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
|
キーワード | 臨界期 / 歌学習 / 神経回路 / 可塑性 / 学習 / 記憶 / ソングバード / 聴覚 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトが生後に言葉を聴いて言語を発達させるように、歌を学習するトリ、ソングバードも生後に親の歌を聴き覚え、これを模倣することで歌を学習する。ソングバードの一種であるキンカチョウは個々に違う歌を唄うにも拘らず、他の種のトリの歌を聴いてもこれを学習せず、キンカチョウの歌のみを生得的に選択し、これを学習する。つまり、このキンカチョウの歌学習は、生得的に決定している神経回路と、学習によって獲得する神経回路が相互的に機能することにより学習を制御していると考えられる。そこで本研究ではこの生得的神経回路と、学習により獲得する神経回路がどの様に経験に依存して統合され、歌学習を制御するのか明らかにする研究を行う。
|
研究実績の概要 |
歌を学習するトリ、ソングバードは生後の発達期には聴く親の歌を覚え、これを摸倣することで歌を学習する。この学習臨界期は歌を聴いて覚える「感覚学習期」と「感覚運動学習期」の二つの時期から成る。本研究ではこの複雑な臨界期の中でどの様に神経回路が発達し、歌学習を行うのか明らかにする研究を行った。 2019年度末~2020年度途中までコロナウィルス感染拡大により研究室が閉鎖したため、研究の進捗が遅れていたが、2021年度途中まで研究機関を延長させて頂いたことで無事に研究を終了させることが出来た。研究代表者の沖縄科学技術大学院大学における研究室で作成された、神経活動に依存して蛍光タンパクを発現させるウィルスベクターを用いることにより、覚えた親の歌に反応する神経細胞群に蛍光タンパクを発現させ、その神経投射経路を調べたところ、高次聴覚野に覚えた親の歌に反応する神経細胞群が存在し、これらは歌学習制御する感覚運動野に歌学習期にのみ投射していることを明らかにした。また、これらの神経細胞群に細胞死を起こさせ、死滅させることで歌学習が起きないことも明らかになった。つまり、感覚学習期に親の歌を覚え、この聴覚記憶に関わる神経細胞が、運動野に感覚運動学習期に一時的に投射することで歌学習を制御している可能性が示唆された。この様に、一時的に神経回路が生成されスクラップ&ビルドされることで、異なる臨界期のタイミングが制御されていることが考えられた。 これらの研究成果は学会などで報告を行った。また論文にまとめている最中でおり、近日中に投稿される予定である。
|
現在までの達成度 (段落) |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|