研究領域 | スクラップ&ビルドによる脳機能の動的制御 |
研究課題/領域番号 |
19H04760
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
坂場 武史 同志社大学, 脳科学研究科, 教授 (80609511)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
8,970千円 (直接経費: 6,900千円、間接経費: 2,070千円)
2020年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2019年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
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キーワード | シナプス |
研究開始時の研究の概要 |
シナプスの伝達効率は一定ではなく、活動、発達、病態時において可塑的な変化を示す。本研究では、電気生理学、実時間イメージングだけでなく、電子顕微鏡や超解像光学顕微鏡を組み合わせる。機能・構造の両側面から、広義での可塑性のおこっているときに、シナプス前終末内構造あるいはシナプスそのもののスクラップ&ビルドがどのように起こるかに関し、苔状線維シナプスをモデルにして明らかにする。
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研究実績の概要 |
本年度は、げっ歯類海馬苔状線維シナプス前終末におけるcAMP依存性の伝達物質放出量増大のメカニズムを調べた。電気生理学的な測定と超解像光学顕微鏡を組み合わせた結果、シナプス前終末のCaチャネルクラスターが終末内cAMP濃度上昇後数分以内で拡大することを見出した。Caチャネルの集積によって局所Ca濃度が上昇し、これによって伝達物質放出量が増大することを見出した(Fukaya et al., 2021, PNAS)。従来から考えられていたような、 伝達物質放出の終末内Ca依存性の亢進、あるいはCaチャネルと伝達物質放出部位の位置関係の変化(短縮)がcAMP依存性可塑性の分子細胞メカニズムである、という考え方とは異なる新たなメカニズムであると考えられる。また、シナプス前終末内のCaチャネルが、これまで考えられてきたように素早く安定した伝達のために終末膜上で位置が固定されているのではなく、少なくとも一部は、可塑性時に動的である可能性が示唆された。つまり、Caチャネルクラスターの大きさがシナプス前性可塑性の標的となる可能性を示している。換言すれば、Caチャネルクラスターがミクロ的な"スクラップ&ビルド"の対象となることを示している。今後はこのような比較的素早く起こるcAMP依存性可塑性メカニズムが生理的にどのような条件下でおこるかを調べる必要がある。 この研究以外にも、共同研究を通して、疾患モデルマウスの解析を海馬苔状線維シナプスを標本として行った。
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現在までの達成度 (段落) |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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