研究領域 | 脳構築における発生時計と場の連携 |
研究課題/領域番号 |
19H04783
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
清木 誠 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (50226619)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
8,840千円 (直接経費: 6,800千円、間接経費: 2,040千円)
2020年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2019年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
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キーワード | YAP / ARHGAP11A / メカノホメオスターシス |
研究開始時の研究の概要 |
私たちは、臓器の力学特性を制御する全く新しい3次元臓器構築のメカニズムを見出した (Porazinsiki et. al., Nature 521, 2015)。3次元臓器構築は、①組織3次元構築と②各組織の配置により達成されること、③原因遺伝子YAPが力学特性を介して細胞外環境と細胞間で双方向的に細胞の増殖・分化を制御し組織恒常性を維持することからYAP-メカノホメオスターシスと名付けた。本研究の目的は、3次元臓器構築を司るYAP-メカノホメオスターシスによる力学特性を介した場と細胞の相互作用が、ほ乳類の脳形成における場と発生時計の連携に果たす役割とそのメカニズムを明らかにすることである。
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研究実績の概要 |
私たちはこれまでに、既知の発生メカニズムでは説明のつかない臓器の扁平化を起こすhirame(hir)変異体の分離・解析から、原因遺伝子YAPが(1)組織の3次元化と(2)各々の組織の配置を統御、(3)YAP-メカノホメオスターシスの分子メカニズムにより、3次元臓器を構築する新しいメカニズムを見出した。前公募研究において、我々は、新たなYAP-メカノホメオスターシス候補分子として、ARHGAP11Aを見出した。ARHGAP11AはYAPによりその発現を直接制御されている。一方、ARHGAP11Aは通常核に局在するが、細胞質に移行するとHippo経路を介してYAP活性を抑制する。つまりYAPとARHGAP11Aは負のネガティブフィードバックループを形成していることを見出した。しかしながら、このループの生理的意義不明であった。そこで、ARHGAP11Aが細胞質で相互作用するタンパク質を網羅的に解析したところ、微小管関連特に、1次繊毛に関わるタンパク質を相互作用分子候補として多数見出した。そこで、ARHGAP11Aが細胞質において、1次繊毛の形成または分解のどちらに関与するか、そこで、ARHGAP11Aを過剰発現させ、1次繊毛の数を計測したところ、対照群に比べ増加した。また、siRNAを用いてARHGAP11Aのノックダウンを行い蛍光免疫染色を用いて1次繊毛の数を計測した。その結果、ノックダウン細胞は対照群に比べ有意に1次繊毛の数が減少した。さらに、ノックダウン細胞を用いてRNAシークエンスを行ったところ、細胞周期の亢進、1次繊毛を負に制御するPlk1およびNek2の遺伝子発現が上昇していた。これらの結果から、ARHGAP11Aは細胞質に移行すると1次繊毛形成を促進するとともにYAPの活性を抑制し、細胞増殖を抑制する働きがあることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (段落) |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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