研究領域 | ネオ・セルフの生成・機能・構造 |
研究課題/領域番号 |
19H04801
|
研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
堀 昌平 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 教授 (50392113)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
2020年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2019年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
|
キーワード | 免疫寛容 / 自己免疫疾患 / 制御性T細胞 / 組織特異性 / 自己免疫寛容 / 抗原特異性 / TCRレパトア |
研究開始時の研究の概要 |
制御性T細胞(Treg)は、セルフおよびネオ・セルフに対する免疫寛容の獲得・維持に中心的な役割を担っている。Tregの分化と抑制機能には、転写因子Foxp3のみならずTCRシグナルも重要な役割を担っている。我々は、ヒト自己免疫疾患IPEXにおいて同定されているFoxp3変異を導入したマウスモデルの作製・解析を通して、「Foxp3とTCRシグナルが転写因子BATFを介して機能的に協調することでTregがセルフやネオ・セルフ抗原が発現する組織に集積し、組織特異的に免疫寛容を成立させている」ことを示唆する知見を得た。本研究では、この仮説の検証を行うとともに、組織特異的自己免疫寛容における両者の機能的協調の生理的意義を解明することを目指す。
|
研究実績の概要 |
我々は、ヒト自己免疫疾患IPEX症候群モデルマウスであるFoxp3<A384T>変異マウス(A384Tマウス)において皮膚、肺などのバリア組織選択的に2型炎症が惹起されることを見出した。本研究では、自己免疫疾患の組織選択性を規定するメカニズムを明らかにするために、A384T変異によって制御性T細胞(Treg)の組織特異的自己抗原を認識し2型炎症を抑制するTregサブセットが選択的に欠損するためにこれらの組織において炎症が惹起されるという仮説を立てた。この仮説を検証するために、科研費新学術領域研究『先進ゲノム支援』プログラムによる支援を得て、Tregおよび通常型T細胞(Tconv)の遺伝子発現とTCR配列を単一細胞レベルで計測した。単一のTCRβ鎖を発現する野生型(WT)マウスとA384Tマウスの肺からTreg及びTconvを単離し、scRNA & TCR-seqにより解析を行った。その結果、(1) WT Tregでは遺伝子発現状態が異なる複数のエフェクター・クラスターが存在すること、(2) 変異Tregでは特定のエフェクター・クラスターが欠損していること、(3) WT Tregでは、変異Tregで欠損しているエフェクター・クラスターに選択的に発現してクローン増殖したTCR配列(クロノタイプ)が存在すること、(4) 変異TregではそれらのTCRクロノタイプがクローン増殖していないこと、がわかった。これらの結果から、A384T変異は特定のTregクローン(おそらく組織選択的抗原に特異的なTCRを発現するクローン)のクローン選択を障害してエフェクターTregの不均一性を低下させ、2型炎症を抑制するサブセットを選択的に欠損させることが示唆された。
|
現在までの達成度 (段落) |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|