公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
本研究はウイルスの多様性を明らかにするために、さまざまな生物・環境からシークエンスされたメタゲノム・トランスクリプトームデータから新規ウイルス配列とその塩基多型の同定し、分子進化解析する。この目的のために、下記のバイローム(大規模ウイルス配列)解析システムを平成31年度の夏までに構築し、東京大学医科学研究所のスーパーコンピュータSHIROKANEで運用を開始する。その後は、共同研究者らのサンプルを始めとして、公共配列データベースを活用し、さまざまなメタゲノム・トランスクリプトームデータのバイローム解析を行う。
本研究では自然界に存在するウイルスの多様性を明らかにするために、様々な生物・環境からシークエンスされたメタゲノム・トランスクリプトームデータから新規ウイルス配列とその塩基多型の同定するバイローム(ウイルスメタゲノム)解析システムを構築した。本システムを活用し、様々な動物・環境から採取したサンプルから大規模シークエンスを行った塩基配列データを解析し、新規RNAウイルスを同定し、それらの系統分類や進化について明らかにした。加えて、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染症の流行を受けて、SARS-CoV-2と近縁のコロナウイルスとの比較ゲノム解析を行い、SARS-CoV-2に特徴的な遺伝子について、またその機能進化を明らかにする研究にも取り組んだ。その結果、宿主のインターフェロン誘導を阻害するSARS-CoV-2のORF3bとORF6の遺伝子の性質と機能的な塩基変異について明らかにした。特にORF3bの終止コドンがアミノ酸をコードするように変異したウイルスはインターフェロン抑制能が向上することがわかり、感染後の重症化に関与する可能性が示唆された。加えて複製時のエラー修復に関係するnsp14遺伝子の機能阻害に関連する可能性のある塩基変異などについて、比較ゲノム解析により明らかにした。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2021 2020 2019
すべて 雑誌論文 (11件) (うち国際共著 7件、 査読あり 11件、 オープンアクセス 9件) 学会発表 (17件) (うち国際学会 3件、 招待講演 3件)
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