研究領域 | 植物新種誕生の原理―生殖過程の鍵と鍵穴の分子実態解明を通じて― |
研究課題/領域番号 |
19H04864
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
小牧 伸一郎 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (50584588)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
8,580千円 (直接経費: 6,600千円、間接経費: 1,980千円)
2020年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2019年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
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キーワード | 減数分裂 / ゲノム倍加 / 染色体分離 / 紡錘体形成チェックポイント |
研究開始時の研究の概要 |
生命の設計図であるゲノムを正確に次世代に伝えることは、生物にとって最も重要な課題の一つである。それにもかかわらず、種子植物はその進化の過程で何度もゲノムを倍加させてきた。また、ゲノム倍加した植物は生育が良くなるため、高収量を基準に選抜を行ってきた農作物の多くもゲノム倍加を起こしている。このように容易に起こるゲノム倍加は植物という生物を特徴付ける性質であり、種分化を引き起こす原動力にもなっていると考えられている。 本研究では、「紡錘体形成チェックポイント」と呼ばれる細胞周期のチェックポイントの減数分裂期細胞での制御機構と容易に起こるゲノム倍加との関連を明らかにすることを目指す。
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研究実績の概要 |
研究代表者はこれまでの研究で、植物が高頻度に起こすゲノム倍加の発生機構に細胞周期チェックポイントの一つである、紡錘体形成チェックポイント(SAC)が「鍵」として深く関与していることを明らかとした。本研究は、(1)ゲノム倍加の鍵として働くSACの活性制御機構の解明と、(2)減数分裂を介したゲノム倍加に対するSACの関与を明らかにすることを目的とした。 (1) ゲノム倍加の鍵として働くSACの活性制御機構の解明:動物では、Chromosomal passenger complex (CPC)がSACの活性化に関与しているが、植物ではCPCの主要因子 (Aurora kinase, INCENP, Borealin, Survivin)のうち、Aurora kinase以外が見つかっていなかった。本研究では、植物で初めてBorealinを発見し、減数分裂期での局在を明らかにした。また、BorealinがINCENPと共にAurora kinaseの局在を制御することでゲノムの維持に働くことを示した。さらに、最後まで見つかっていなかったSurvivinの機能的ホモログと考えられる分子の同定に成功した。 (2) 減数分裂を介したゲノム倍加に対するSACの関与:減数分裂期細胞においても、継続的なストレス条件下では、SACが解除されることでゲノム倍加が起こることを見出した 。つまり、減数分裂を介したゲノム倍加の発生経路においてもSACが「鍵」として働いていると考えられる。また、SAC欠損変異体を用いた場合にもストレスに応答したM期の遅延が観察されたことから、減数分裂期細胞にはSAC以外のM期制御機構の存在が示唆され、新たな研究分野となることが期待される。
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現在までの達成度 (段落) |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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