研究領域 | 植物新種誕生の原理―生殖過程の鍵と鍵穴の分子実態解明を通じて― |
研究課題/領域番号 |
19H04869
|
研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
丸山 大輔 横浜市立大学, 木原生物学研究所, 助教 (80724111)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
中途終了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
8,060千円 (直接経費: 6,200千円、間接経費: 1,860千円)
2020年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2019年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
|
キーワード | シロイヌナズナ / 重複受精 / 卵細胞 / 中央細胞 / 助細胞 / 精細胞 / 花粉管 / 内部形質膜 / 受精領域 / 花粉管誘引 / アクチン / 細胞壁 |
研究開始時の研究の概要 |
被子植物の生殖過程では重複受精の直前に,卵細胞と中央細胞という2つの雌性配偶子の間に生じる間隙へと2つの精細胞が送り込まれる.本研究は,受精領域というべきこの間隙がどのようなメカニズムによって形成されるのか,そしてオスとメスの配偶子の相互作用にどのような役割をはたしているか明らかにすることを目指す,そのために,この領域に存在するタンパク質の機能解析や形態観察を中心とした研究を展開する.
|
研究実績の概要 |
本研究ではシロイヌナズナ花粉管放出の直後、重複受精に先立って起こる雌雄の配偶子間相互作用について、卵細胞や助細胞の分泌タンパク質、精細胞の露出などの観点から解析を進めた。助細胞の分泌タンパク質の解析については、助細胞特異的に優性欠損型ACTIN8を発現させたときに花粉管誘引欠損が誘導されることがわかっていた。今年度は花粉管誘引ペプチドであるAtLURE1.2にCitrineを融合したレポーターラインを用いて解析し、AtLURE1.2の極性分泌におけるアクチン繊維形成の重要性を示すことができた。卵細胞の細胞外構造の機能解析については、COPII小胞形成異常を誘導する優性欠損型SAR1を発現させることで、卵細胞のタンパク質を阻害したところ、卵細胞と中央細胞の間に存在するパッチ状の細胞外構造が消失することが示されていた。今年度は優性欠損型SAR1を中央細胞特異的に発現させた。その結果、パッチ状構造の形成に欠損はみられなかったため、卵細胞を覆うパッチ状の細胞外構造の形成は卵細胞の分泌が中心になっていることを明らかにすることができた。これまでの研究で、精細胞を覆う内部形質膜とよばれる単膜系が花粉管内容物の放出直後受精領域で素早く崩壊する様子を観察しており、この膜崩壊が精細胞表面の露出させることで配偶子間相互作用に重要な役割をはたすことを提唱してきた。本年度は同様の崩壊が花粉管を培地上で伸ばしたときに確率的に起きる内容物放出でも観察されることを明らかにした。また、マンニトール溶液添加による浸透圧ショックによって誘導された内容物放出の場合は内部形質膜が安定に維持されることも示した。以上の結果から、内部形質膜の崩壊が花粉管放出と密接につながった生理的現象であることを示すことができた。
|
現在までの達成度 (段落) |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|