研究領域 | 植物新種誕生の原理―生殖過程の鍵と鍵穴の分子実態解明を通じて― |
研究課題/領域番号 |
19H04871
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 国立遺伝学研究所 |
研究代表者 |
野々村 賢一 国立遺伝学研究所, 遺伝形質研究系, 准教授 (10291890)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
8,580千円 (直接経費: 6,600千円、間接経費: 1,980千円)
2020年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2019年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
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キーワード | 減数分裂 / 生殖的隔離 / 野生イネ / イネ属 / 種間交雑 / 植物生殖 / エピジェネティクス |
研究開始時の研究の概要 |
野生イネは、イネが栽培化過程で失った多数の遺伝子を保存する貴重な遺伝資源である。その中には、病気や害虫に対する抵抗性など、農業上有用な遺伝子も多数含まれるが、それらを従来の交雑育種法により栽培イネに導入するのは非常に難しい。最大の原因は、両親のゲノム構造が分化過程で多様化し、雑種第一代の減数分裂異常により種子不稔が生じ、種間での遺伝子交換が制限されるためである。本研究の目的は、雑種第一代植物の減数分裂細胞で、染色体認識などに関わる遺伝子を突き止め、その機能を解析することである。将来的には、ゲノム編集技術などにより当該遺伝子機能を改変し、野生イネの有用遺伝子の育種利用を促進できると考えている。
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研究実績の概要 |
イネ属の異なる種の間にみられる様々な生殖的隔離のうち、特に減数分裂に起因する隔離障壁の実態を明らかにすることを目的とし、アフリカ野生イネ Oryza punctataと日本型栽培イネO. sativaとのF1雑種 (SP雑種)およびその 両親について、葯を用いたmRNA-seq解析を実施した。まず、SP雑種形成後に初めて発現量・アレルに種間バイアスが生じる遺伝子群を、両親間で元々発現量が異なっていた遺伝子群と仕分けるため、両親のmRNA-seqリードを補正・合算したin silico SP雑種データを作成し、実際にSP雑種で得られたリード(real SP雑種データ)と比較した。その結果、SP雑種形成後に多数の遺伝子発現が変動しており、特にreal SP雑種で発現量が低下するものが顕著だった。また、減数分裂移行期における遺伝子発現変化がSP雑種の減数分裂異常の原因の一つである可能性が浮上したため、減数分裂移行タイミングを制御するイネRNA結合タンパク質MEL2の解析を行った。減数分裂移行前の生殖細胞で、細胞質RNA顆粒を形成すること、多数の減数分裂関連遺伝子の発現活性がMEL2に依存することを見出した。 減数分裂エピゲノム機構の種間多様性について研究を行った。その結果、栽培イネの減数分裂移行期においてsmall RNAを介してRNAサイレンシングを促進するAGO4タンパク質の染色体への広範かつ細胞周期同調的なローディングを見出した。また、AGO4は減数分裂特異的phasiRNAと結合し得ることを見出した。ゲノムの100カ所以上に不均一に分布する24-phasiRNA前駆体noncoding座の配列はSP種間で多様であり、雑種の染色体対合不全の一因である可能性が浮上した。
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現在までの達成度 (段落) |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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