研究領域 | 多様な「個性」を創発する脳システムの統合的理解 |
研究課題/領域番号 |
19H04889
|
研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
複合領域
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
横井 佐織 北海道大学, 薬学研究院, 助教 (10772048)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | 個性 / メダカ / クローズドコロニー / 不安 / 大胆 / 不安様行動 / ゲノム / 遺伝学 |
研究開始時の研究の概要 |
オープンフィールドテストは様々な動物種で不安様行動における個性の定量に用いられているが、当該個性の創発に必要な遺伝子同定には至っていない。本研究では、共に西瀬戸内地方生まれであり、遺伝的には近いにもかかわらず、オープンフィールドテストにおいては逆の行動を示す2種類のメダカを用いて、行動の違いをもたらす遺伝子を捜索する。本研究により、不安様行動における個性を決定するメカニズムを明らかになることが期待される。
|
研究実績の概要 |
本年度は、大胆系統と臆病系統の脳からRNAを抽出し、RNA-seq解析によって系統間で発現量に差がある遺伝子を網羅的に探索した。臆病系統よりも大胆系統で発現量が多い遺伝子の中にはIL6など免疫系に関わる遺伝子が多く存在していることがわかった。また、昨年行ったGWAS解析の結果得られた、責任候補領域にはnfkb2が含まれており、こちらも免疫系に関与する。近年、一見無関係に思われた免疫系が行動に関与することが報告されていることとあわせて考え、免疫系に関わる遺伝子が大胆さを制御する可能性が考えられた。一方、臆病系統よりも大胆系統で発現量が少なく、その差が大きい遺伝子の中にはセロトニンの生合成に関与するトリプトファンヒドロキシラーゼ(tph)が含まれていた。先行研究では、tphノックアウトメダカでは不安様行動が高まると報告されており、大胆系統の行動特性とは逆の結果である。大胆系統ではtphだけではなく、他の遺伝子発現も標準系統と異なるため、セロトニン系以外の大きな要因が大胆系統の行動特性を決定していることが示唆された。 また、環境要因によって、大胆系統と臆病系統の行動が変化するかの検証を行った。大胆系統と標準系統を同じ水槽で飼育しても、大胆系統の大胆さは変化しなかったが、臆病系統と標準系統を同じ水槽で飼育すると、臆病系統の大胆さが有意に上昇した。この結果は、異なる個性を持つ他者の存在によって遺伝子発現が変化し、生来的な個性に変化をもたらしたことを示唆する。
|
現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|