研究領域 | 生物ナビゲーションのシステム科学 |
研究課題/領域番号 |
19H04935
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
複合領域
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
岩楯 好昭 山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授 (40298170)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
9,620千円 (直接経費: 7,400千円、間接経費: 2,220千円)
2020年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2019年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | アメーバ運動 / 細胞遊走 / 細胞性粘菌 / 細胞性粘菌アメーバ / Durotaxis / 細胞骨格 / アメーバ / Rigidity Sensing |
研究開始時の研究の概要 |
最近、研究代表者らは、アメーバ細胞が基質の硬さという環境情報を取得して柔らかい方向に移動するアメーバ細胞ナビゲーションを発見した。本研究の目的はアメーバ細胞ナビゲーションのメカニズム解明とその応用展開への足がかりの構築である。目的達成のために、ナビゲーション中の細胞の細胞形状、基質ひずみ、ミオシンIIを同時計測し、それらの相関を解析する。また、硬さの勾配を人為的に作成した基質上を細胞にはわせ、アメーバ細胞のナビゲーションを誘導する。ナビゲーションメカニズムの解明とその人為的な制御は、災害避難行動シミュレーションや動物行動予測への応用展開が期待できる。
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研究実績の概要 |
最近研究代表者は、脳を持たないアメーバ細胞が、基質の硬さという環境情報を取得して柔らかい方向に移動するアメーバ細胞ナビゲーションを発見した(2018 Phys Rev E)。アメーバ細胞のナビゲーションは高等動物と異なり、情報処理を細胞内各所で行う自律分散的なメカニズムだと推察される。本研究の目的はアメーバ細胞ナビゲーションのメカニズム解明とその応用展開への足がかりの構築である。 研究代表者らは細胞性粘菌アメーバや好中球用HL-60培養細胞を硬さが不均一な基板上に置くと基質の硬さを感知して柔らかい方向に進むことを発見した。この応答は適度な硬さ変化の基質でないと発生しなかった。すなわち、細胞性粘菌アメーバや好中球用HL-60培養細胞は程よい硬さの基質の硬さの違いを感知し運動方向を決定している。これは“磁場”等の環境情報を感知し移動方向を決める渡り鳥のナビゲーションと本質的に変わらない。アメーバ細胞は“基質の硬さ場”という環境情報を感知しナビゲーションを行っているのである。脳を持たない細胞のナビゲーションは、情報処理を細胞内各所で行う自律分散システムのメカニズムを持つと考えられる。 細胞性粘菌アメーバに、常時太いフィラメントを形成する3ALAミオシン II、フィラメントを全く形成できない3ASPミオシン II、フィラメント形成は通常通り行えるが ATPase 活性を失っているE476Kミオシン II という変異ミオシン II を容易にミオシン II 欠損細胞にそれぞれ発現させ、吸引刺激を与えると、ミオシン II の集積箇所や集積速度などが異なることが分かった。また、硬さの異なる基質上でのミオシン II の動態と仮足の動態が連関していることが分かった。それをもとにアメーバのナビゲーションモデルを提案した。最終的な研究成果は原著論文投稿するよう現在準備している。
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現在までの達成度 (段落) |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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