研究領域 | 数理解析に基づく生体シグナル伝達システムの統合的理解 |
研究課題/領域番号 |
19H04951
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
複合領域
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
上田 卓見 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 准教授 (20451859)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | GPCR / NMR / 膜タンパク質 / 交換モンテカルロ法 / 数理モデル / G蛋白質 / アレスチン / システム生物学 / アドレナリン受容体 / オピオイド受容体 |
研究開始時の研究の概要 |
現在市販されている医薬品の30%以上は、G蛋白質共役型受容体 (GPCR) に作用します。我々は、核磁気共鳴法を用いて、GPCRが活性の異なる複数の構造の動的平衡状態にあり、交換速度や活性型の割合がシグナル伝達活性を規定することを明らかにしてきました。この研究では、動的構造平衡の情報に基づいて、原子レベルから細胞レベルの様々な実験データを統合して、GPCRシグナルの経時変化を定量的に記述する数理モデルを構築すること、および構築したモデルでGPCRシグナルを再現することで、GPCRシグナルの制御メカニズムを解明することを目指します。
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研究実績の概要 |
最初に、前年度までにNMR法を用いて構築した、b2アドレナリン受容体の不活性型・部分活性型・活性型の構造平衡のモデルに対して、先行論文で報告されているGタンパク質の活性化および不活性化の数理モデル、GRKによるリン酸化とアレスチンの内在化の数理モデル、cAMPの生成およびPKAとPDEによるフィードバック阻害の数理モデルを組み合わせて、GPCRシグナルの数理モデルを構築した。 次に、前年度までに開発した交換モンテカルロ法のプログラムを使って、b2AR発現細胞に作動薬を添加した時のcAMP濃度の経時変化をシグナルの様々な箇所に阻害がかかった条件で観測した文献値が再現できるように、構築した数理モデルに含まれるパラメータを網羅的に探索して、ベイズ推定により最適値と誤差を算出することを試みた。その結果、構築した数理モデルに含まれるパラメータの数が49個と多いため、ベイズ推定を行うのに十分な量の計算を行うことが困難であった。そこで、交換モンテカルロ法のプログラムの改良を試みたところ、並列計算の手法を導入することにより、計算速度を5倍以上上昇させることに成功した。高速化したプログラムを使って数理モデルに含まれるパラメータを網羅的に探索した結果、各パラメータの最適値および誤差を得ることに成功した。得られたパラメータを使って、各種阻害がかかった条件におけるcAMP濃度の経時変化を計算した結果、計算値が実験値と良く対応することが示された。
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現在までの達成度 (段落) |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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