研究領域 | 数理解析に基づく生体シグナル伝達システムの統合的理解 |
研究課題/領域番号 |
19H04968
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
複合領域
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
池ノ内 順一 九州大学, 理学研究院, 教授 (10500051)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
10,660千円 (直接経費: 8,200千円、間接経費: 2,460千円)
2020年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2019年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
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キーワード | ブレブ / 細胞膜 / アクチン細胞骨格 / 数理モデル / Rnd3 / Rho |
研究開始時の研究の概要 |
申請者は、これまで細胞運動に関わる動的な細胞膜構造であるブレブに着目し、その分子機構の解析を進めてきた。本研究提案では、これまでの研究によって得られたブレブの形成・退縮に関わる分子間のネットワークに関する知見に基づいて、ブレブの数理モデルの構築を進める。一方で、ブレブの形成・退縮に関わる新規分子の同定及び機能解析も進めていきたい。実験と数理モデルの組み合わせによって、細胞膜の動的な挙動の理解を目指す。
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研究実績の概要 |
ブレブは,アクチン細胞骨格の裏打ちが一時的に消失し,細胞内圧によって突出した形質膜の球状突起構造である。近年,脊椎動物の始原生殖細胞やがん細胞が,細胞運動の際に能動的にブレブを形成することが明らかになっているが,ブレブの形成を制御する分子機構は殆ど明らかになっていない。本研究課題において,ブレブを活発に形成するDLD1細胞を用いたライブイメージング観察により,Rnd3とRhoAの活性の切り替えがブレブの退縮を制御することを明らかにした。さらに、Rnd3とRhoAの両者の間に、相互抑制的な分子機構が存在することを見出し、数理モデルを構築した。ライブイメージングの動画から各種パラメーターを実測し、ブレブの動態を数理モデルによって記述することに成功した。また、拡大中のブレブの細胞質は,他の細胞質領域と比較して有意に細胞質の流動性が亢進し,特定のタンパク質が濃縮することを見出した。このような拡大時に形成される流動性の高い細胞質領域の形成には,拡大中のブレブ内細胞質におけるカルシウムイオン濃度の上昇が必要であることを明らかにした。ブレブ拡大時には,STIM1とOrai1が結合することで,細胞外からカルシウムイオンが取り込まれ,ブレブ内の細胞質流動性が上昇する。これにより,ブレブの急峻な拡大が可能となる。一方,退縮期にROCKによりEzrinが活性化すると,EzrinはOrai1と結合することでSTIM1とOrai1間の結合を阻害する。その結果ブレブ内のカルシウムイオン濃度は低下し,アクチンの重合が進行することで細胞質流動性は低下してブレブは退縮する。このように、本研究課題の遂行によって,カルシウムイオン流入による局所的な細胞質の性質の変化が起こること,それによる細胞形態の制御機構が存在することを明らかにすることができた。
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現在までの達成度 (段落) |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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