研究領域 | 都市文明の本質:古代西アジアにおける都市の発生と変容の学際研究 |
研究課題/領域番号 |
19H05030
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
人文・社会系
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
小高 敬寛 金沢大学, GS教育系, 准教授 (70350379)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | メソポタミア / 肥沃な三日月地帯 / 新石器化 / 都市化 / 編年 / 物質文化 |
研究開始時の研究の概要 |
最古の都市が誕生したメソポタミア低地は、周囲をとりまく「肥沃な三日月地帯」で新石器化を遂げた農耕民の進出により開発された。その発端は、前7千年紀末に始まった社会再編と目されるが、因果関係を実証的に跡付ける考古資料は乏しい。 そこで、「三日月地帯」の東翼でメソポタミア低地と近接する、イラク・クルディスタン自治区シャイフ・マリフ遺跡の発掘調査を通じ、この課題に取り組む。前7千年紀後半~前6千年紀前半における物質文化の内容と地域性を把握し、それらの通時的な変遷から社会再編の影響を捉える。また、それがメソポタミア低地の開発とどう関係したのかを考察し、新石器化から都市化への移行に関する理解を深める。
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研究実績の概要 |
イラク・クルディスタン自治区シャフリゾール平原に所在するシャイフ・マリフ遺跡の発掘調査を予定していたが、新型コロナウイルス感染症の影響により、断念せざるを得なかった、そこで、同平原内で2019年に発掘調査を実施したシャカル・テペ遺跡について、採取した炭化物試料による放射性炭素年代測定を追加実施するとともに、調査データの整理・分析を行なった。 年代測定結果の精査と発掘区の層位学所見から、2019年の発掘で検出した後期新石器時代、前7千年紀後半の文化層は、少なくとも前6400年~6240年頃と前6240年~6000年頃の2時期に区分できることが分かった。そして、出土土器の型式学的な分析により、前者(前6400年~6240年頃)には粗製土器のみから成る土器アセンブリッジが、後者(前6240年~6000年頃)には粗製土器に加えて2種の精製土器が組み合わさった土器アセンブリッジが伴うことを確認した。また、後者には、大型の剥片を素材とした、きわめて地域性の強い石器インダストリーが存在することも分かった。シャフリゾール平原を含むイラク・クルディスタン自治区東端部において、これらの年代の物質文化はこれまでまったく知られていなかったが、本研究の成果によってその編年的な空白を埋めることができた。 このように、当初予定していたシャイフ・マリフ遺跡の発掘調査は先送りになってしまったものの、代わりに実施したシャカル・テペ遺跡の発掘調査と研究によって、目的に即した成果を得ることができた。こうした成果を国内外に発信するため、複数の学会や国際会議で報告を行なったほか、論文を英文でまとめた。また、ウェブサイトの更新や講演などを通じて、市民への普及・還元にも努めた。
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現在までの達成度 (段落) |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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