研究領域 | 都市文明の本質:古代西アジアにおける都市の発生と変容の学際研究 |
研究課題/領域番号 |
19H05041
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
人文・社会系
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
大稔 哲也 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (10261687)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 西アジアの墓地 / 墓地 / 死者の街 / 墓地参詣 / イスラームの参詣 / カイロ / イスラーム / 西アジア / エジプト / ワクフ / 寄進 |
研究開始時の研究の概要 |
西アジアの都市史研究において、墓地の研究はこれまで光が当てられることが少なく、研究上の弱点となってきた。しかし、都市の全体像を把握し、その構造や機能について考察する際に、墓地の研究は不可欠であろう。そのため、本申請は西アジアにおける墓地の存在を歴史的かつ多角的に検討し、都市の空間構造や社会的機能について、墓地から考察を加えるものである。その際にエジプトを主たる舞台に設定し、7世紀のアラブ・イスラーム勢力の到来以降の時代を研究対象とする。そして、単に古代から西アジア都市の系譜を辿るのではなく、イスラーム期から現代に至る都市の構造的変容や、現代に連なる都市の諸問題についても考察を加えたい。
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研究実績の概要 |
当初、2020年度に予定していた研究活動は、新型コロナウィルス蔓延による全般的な制限を受けたため、2022年度まで繰り越されることとなった。しかし2022年度、コロナ禍は落ち着きの傾向を見せていたものの、ウクライナの情勢悪化、および日本の円安の影響が加わり、本科研費の主要な用途として予定していた海外招聘・出張の航空料金は、急激に高騰した。そのため、今年度は予定通り2組の海外招聘を優先的に実現させたものの、本科研費による筆者自身の海外現地調査は断念せざるを得なかった。 そのような中で、2022年12月にノートルダム大学のLi Guo教授を招聘して、西アジアの都市における民衆文化や港湾都市クセイルについての講演会を2回実施し、また、2023年2月にはカリフォルニア大学サンタ・バーバラ校のAdam Sabra教授を招聘し、西アジア都市の形成と宗教との関連や、西アジアの都市と農村の関係についての講演会2回を開催した。同時に、彼らとの研究交流を通じて、西アジアの都市における墓地の構造と機能について見識を深めるべく努めた。 筆者自身は、現地文書館には通えなかったものの、手許にある史料の再検討を通じて、『al-Durr al-Munazzam fi Ziyara al-Jabal al-Muqattam』の校訂本に序文を発表した。本書は、エジプトの墓地に関する最も重要な中世史料の校訂である。そこにおいて筆者は、エジプトの墓地参詣手引書の作成過程を具体的に論じた。また、岩波講座世界歴史においては、これまでほとんど顧みられることのなかった、中世ムスリム社会の子供の死に関する書物ジャンルを紹介した。さらに、本科研の研究テーマに関連して、口頭研究報告も行った。そこでは、西アジアの都市カイロにおける墓地研究の諸問題について論じ、文書分析を通じてその運営財源としてのワクフ(寄進)制度に焦点を当てた。
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現在までの達成度 (段落) |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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